ルナ・バション

ルナ・バション：プロレス界のレジェンド、その激動の人生

ルナ・バション（1962年1月12日 - 2010年8月27日）は、カナダのプロレス界を代表するレスラーであり、マネージャーとして広く知られています。怪奇的な風貌と高いプロレス技術で観客を魅了し、数々の団体で活躍しました。その輝かしいキャリアと、波乱に満ちた人生の物語を紐解いていきましょう。

華麗なる一族とプロレスへの道

ルナは、プロレス一家に生まれ育ちました。父親はポール・バション（ザ・ブッチャー）、伯父はモーリス・バション（マッドドッグ）、叔母はビビアン・バションと、いずれもプロレス界の重鎮です。この環境が、ルナのプロレスラーとしての道を決定づけたと言えるでしょう。叔母ビビアンとファビュラス・ムーラからトレーニングを受け、1985年にプロレスラーとしてデビュー。以来、数々の団体を渡り歩き、その名を世界に知らしめました。

怪奇派ヒールとして頭角を現す

デビュー当初から、ルナは独特のキャラクターを確立しました。髪を半分剃り上げ、毒々しいメイクを施した怪奇派のヒールとして、観客を圧倒しました。NWAフロリダ地区ではウィノナ・リトルハートと「ドーターズ・オブ・ダークネス」を結成し、ケビン・サリバン率いるアーミー・オブ・ダークネスの一員として活躍。この頃のルナは、観客を恐怖に陥れる存在として、大きな注目を集めました。

WWFでの活躍と様々な抗争

1993年、ルナはWWF（現WWE）に参戦。ショーン・マイケルのセコンドとして登場し、センセーショナル・シェリーとの抗争に巻き込まれます。その後は、バンバン・ビガロやブル中野のマネージャーを務め、アランドラ・ブレイズらとの抗争でその存在感を示しました。WWFを離れてからも、USWAやECWといった団体で活躍。スティービー・リチャーズとのスチールケージマッチ勝利など、数々の名勝負を繰り広げました。

マネージャーとして、そしてレスラーとして

ルナはレスラーとしてのキャリアと並行して、マネージャーとしても多くのレスラーを支えました。夫であるデビッド・ヒース（バンパイア・ウォリアー）のマネージャーを務め、ブラックハーツとしてIWAジャパンにも来日。元夫であるヒースとのタッグで、様々な団体を渡り歩きました。また、WWFでは「ザ・アーティスト・フォーマリィ・ノウン・アス・ゴールダスト」のマネージャーを務め、マーク・メロ＆セイブルとの抗争を展開。レッスルマニア14では、ミックスド・タッグマッチにも出場しました。

転身と晩年

2000年代に入ると、ルナはインディー団体を転戦しながら、レスラー兼マネージャーとして活動。オーストラリアやイギリスなど、海外にも活躍の場を広げました。2004年にはキリスト教徒となり、人生観の変化を遂げます。2006年にヒースと離婚、2007年にはプロレスリングから引退し、フロリダ州ポートリッチーでレッカー車のドライバーとして第二の人生を歩み始めました。しかし、2010年8月27日、48歳の若さでこの世を去りました。死因はオキシコドンの過剰摂取とされています。2019年にはWWE殿堂のレガシー部門入りを果たし、その功績は今もなお語り継がれています。

ルナ・バションが残したもの

ルナ・バションは、その強烈な個性と高いプロレス技術で、プロレス界に大きな足跡を残しました。数々の団体を渡り歩き、様々なレスラーと関わる中で、彼女は観客を魅了し、多くのプロレスラーに影響を与えました。彼女のキャリアは、プロレスラーとして、そしてマネージャーとして成功を収めた、稀有な存在であることを示しています。ルナ・バションの功績は、これからもプロレス界に語り継がれていくことでしょう。

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