ル・ブルジェ空港

ル・ブルジェ空港の概要

ル・ブルジェ空港（Aéroport Le Bourget）は、フランスのパリ郊外に位置する空港です。セーヌ＝サン＝ドニ県とヴァル＝ドワーズ県にまたがる場所にあります。1919年に開港したこの空港は、パリで最初の本格的な空港であり、フランス航空史において重要な役割を果たしました。

歴史

開港当初から1932年にオルリー空港が開港するまで、ル・ブルジェ空港はパリ唯一の国際空港として機能しました。SGTA、エール・オリアン、アエロポスタル航空などのフランスの航空会社がハブ空港として利用し、ヨーロッパ各国の航空会社も多数乗り入れていました。1923年に緊急信号「メーデー」が考案された際、ヨーロッパで最も利用数の多かった空港であったことから、フランス語由来のこの言葉が採用されたという歴史があります。

1927年には、アメリカの飛行家チャールズ・リンドバーグが、世界初となる大西洋無着陸横断飛行を成功させた際に着陸した空港としても有名です。また、1937年には、日本の飯沼正明が操縦する神風号が、東京の立川飛行場からロンドンまでの世界記録飛行の際に立ち寄ったことでも知られています。これらの歴史的な出来事は、ル・ブルジェ空港が国際的な航空史において重要な位置を占めていることを示しています。

第二次世界大戦後

第二次世界大戦後、ル・ブルジェ空港はオルリー空港と共にパリの主要空港として、主に国内線や近距離国際線に使用されました。しかし、1970年9月27日には、航空機に積み込まれる予定だった荷物が爆発する事件が発生し、同日にはオルリー空港でも同様の爆発事件が起きています。1974年にシャルル・ド・ゴール国際空港が完成すると、定期旅客便はそちらに移管されました。

現在のル・ブルジェ空港

現在、ル・ブルジェ空港は、プライベート機の離着陸や、初夏に開催されるパリ航空ショーの会場として利用されています。また、隣接するル・ブルジェ航空宇宙博物館には、コンコルドをはじめとする過去のフランス製の航空機やロケット、兵器などが多数展示されており、航空ファンにとっては見逃せない場所となっています。この博物館は、フランスの航空技術の歴史を今に伝える重要な施設です。

関連情報

ル・ブルジェ空港に関する情報は、以下の場所でも確認できます。

関連項目: エールフランス航空、Tu-144 (航空機)、オルリー空港、シャルル・ド・ゴール国際空港、翼よ! あれが巴里の灯だ、フランス航空事故調査局
外部リンク: Aéroports de Paris

ル・ブルジェ空港は、その歴史と現在の役割の両面において、パリ、そしてフランスの航空史における重要な存在であり続けています。

もう一度検索