ルーカス・ラデベ

ルーカス・ラデベ（Lucas Radebe, 1969年4月12日 - ）は、南アフリカ共和国出身の元サッカー選手です。主にディフェンダーとして活躍しました。

生い立ちとプロ入り前

ラデベはヨハネスブルグ近郊のソウェトで、11人兄弟の一人として生まれました。15歳の時、アパルトヘイトの波がソウェトに及んだため、両親によってボプタツワナのバントゥースタンへ送られました。そこで彼はゴールキーパーとしてサッカーを始め、自活しながら日々を過ごしました。

プロとしてのキャリア

1989年、ラデベはミッドフィールダーとしてカイザー・チーフスFCに入団。すぐにレギュラーの座を獲得し、活躍しました。しかし1991年、路上で銃撃されるという事件に遭遇。幸い一命は取り留めましたが、事件の動機は不明のままです。ラデベ本人は、「他のチームへの移籍を妨げるためだったのだろう」と推測しています。

この銃撃事件も影響し、1994年にフィル・マシンガと共にリーズ・ユナイテッドAFCへ移籍。移籍金は25万ポンドという破格の金額でした。

リーズでラデベはスター選手へと成長し、ファンからは「ザ・チーフ」の愛称で親しまれました。その卓越した統率力と能力が認められ、1998-99シーズンにはキャプテンに就任しました。

キャプテンとして、ラデベはリーズの上位進出に大きく貢献しました。リオ・ファーディナンド、ハリー・キューウェル、アラン・スミス、ジョナサン・ウッドゲート、リー・ボウヤーなど、個性豊かな若手実力者たちをまとめ上げ、1998-99シーズンは4位で終え、翌年のUEFAカップ出場権を獲得。さらに、1999-2000シーズンには3位に食い込み、UEFAチャンピオンズリーグ出場権をも手にしました。2000-01シーズンのUEFAチャンピオンズリーグでは、チームはベスト4に進出するという快挙を達成。しかし、ラデベ自身は2000年に負った膝と足首の怪我により、2年間満足にプレーすることができませんでした。その後も怪我に悩まされ、2005年に現役を引退しました。引退試合はリーズのホームスタジアムであるエランド・ロードで行われ、多くの選手たちが彼の引退を惜しみました。

リーズでの在籍中、ラデベは3得点を記録していますが、いずれもカップ戦での得点です。最初のゴールは1997-98シーズンのFAカップ、オックスフォード・ユナイテッドFC戦。2点目と3点目はUEFAカップ1999-2000で、それぞれパルチザン・ベオグラード戦とスパルタク・モスクワ戦で生まれました。

南アフリカ代表としての活躍

ラデベの南アフリカ代表デビューは1992年7月7日のカメルーン戦でした。4年後のアフリカネイションズカップ1996では、チームの優勝に大きく貢献しました。1998 FIFAワールドカップではフィリップ・トルシエ監督、2002 FIFAワールドカップではカルロス・ケイロス監督の下、キャプテンとしてチームを牽引しました。

エピソード

リーズ在籍中には、マンチェスター・ユナイテッドやACミランといった名門クラブへの移籍の機会もありましたが、ラデベはリーズへの深い愛情から残留を選びました。彼の功績を称え、エランド・ロードには彼の名前が付けられた入り口が存在します。

ネルソン・マンデラとも親交が深く、マンデラがリーズを訪れた際には「ラデベは私のヒーローだ」と語りました。

プロゴルファーのゲーリー・プレーヤーとも親交があり、チャリティーゴルフを共に開催することもありました。

2008年12月には、ジムで倒れ、心臓の治療を受けました。

代表歴

1998 FIFAワールドカップ
2002 FIFAワールドカップ

国際Aマッチ70試合2得点（1992年-2003年）

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