ルードボーイ

ルードボーイとは

ルードボーイ（rude boy, rude bwoy）またはルーディ（rudi, rudy, rudie）は、ジャマイカのスラングで不良少年を意味します。1970年代後半以降のイギリスでは、2トーンやスカのファンを指すこともあります。2000年以降のイギリスでは、ストリート・サブカルチャーに傾倒した若者を指すこともあります。類似の言葉として、「ギャングスター」や「バッドマン」があります。

背景

1950年代から1960年代にかけて、ジャマイカでは地方から首都キングストンへ仕事を求めて多くの若者が流入しました。その結果、キングストン市内にはトレンチタウン、リバートンシティ、グリニッチタウンなどのゲットーが形成されました。1962年のジャマイカ独立後、国民の多くは高揚感と楽観的な気分に満たされましたが、これらの貧困層の若者たちはそうした感情を共有できませんでした。彼らの一部は貧困からギャング化し、ルードボーイやルーディ、スカフロウ（Scofflaw、常習的違反者）と呼ばれるようになりました。

ファッション

ルードボーイは、ハリウッド映画のギャングに影響を受け、黒いスーツに細いネクタイを着用し、ポークパイハットをかぶるスタイルを好みました。

スカとルードボーイ

1960年代のスカの流行期には、ルードボーイの生活を反映した歌が数多く生まれました。例えば、ソウル・ブラザーズの「Lawless Street」、ヘプトーンズの「Gunmen Comin to Town」、デズモンド・デッカーの「007 Shanty Town」、ダンディ・リヴィングストンの「ルーディたちへのメッセージ」、プリンス・バスターの「Judge Dread」、デリック・モーガンの「Tougher Than Tough」、ウェイラーズ (ボブ・マーリー、ピーター・トッシュ、バニー・ウェイラー) の「Simmer Down」などが挙げられます。特に、ダンディ・リビングストンの曲は、1979年にイギリスのスペシャルズによってカバーされ、広く知られるようになりました。

1966年頃にロックステディが流行すると、クラレンドニアンズの「Rude Boy Gone A Jail」、ジャスティン・ハインズ&ザ・ドミノズの「No Good Rudie」、ルーラーズの「Don't Be Rude」などが人気を博しました。

イギリスへの伝播

1960年代以降、ジャマイカからの移民がイギリスに多く流入し、ジャマイカ音楽とともにルードボーイのファッションも受け入れられました。これはスキンヘッズ・サブカルチャーに大きな影響を与えました。1970年代後半には、2トーン・ムーブメントが起こり、ルードボーイはより広い層に知られるようになりました。当時のスカ・グループとしては、スペシャルズ、マッドネス、セレクター、ザ・ビートなどが挙げられます。1980年には、ジャック・ハザンとデヴィッド・ミンゲイが監督し、ザ・クラッシュが出演する映画『ルード・ボーイ』が公開されました。

関連事項

レゲエ
ロック・ステディ
2トーン・レコード
ラガマフィン
* ダンスホール

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