レオニード・マシーン

レオニード・マシーン：ロシアバレエ界の革新者

レオニード・マシーン（Léonide Massine）は、1896年8月9日にモスクワで生まれ、1979年3月15日に西ドイツで亡くなった著名なバレエダンサーおよび振付家です。本名はレオニート・フョードロヴィチ・ミャーシンです。マシーンは、彼のダンスと振付において非常に革新的なスタイルを持ち、バレエ界に多大な影響を与えました。

マシーンはモスクワのボリショイ劇場附属学校で学び、卒業後にはボリショイ劇場のバレエ団に所属しました。しかし、彼のキャリアに大きな転機が訪れたのは、1914年に著名な振付家セルゲイ・ディアギレフに見いだされた時です。ディアギレフは、当時人気のあったバレエ団「バレエ・リュス」にマシーンを引き入れ、彼はこの劇団で新たな舞台を得ることになりました。その後、彼はニジンスキーに代わる男性ダンサーとして舞台での存在感を示し、特に『ヨゼフの伝説』でのデビューは非常に印象的でした。

1915年から1921年の間、マシーンはバレエ・リュスの首席振付師として活躍しました。この期間中、彼は『パラード』（1917年）や『風変わりな店』、『三角帽子』（1919年）、『プルチネルラ』（1920年）などの作品を手掛けました。彼の振付は、これまでのバレエ・リュスでは見られなかったユーモアあふれるものやスペイン風の要素を取り入れ、観客に新しい体験を提供しました。

1921年、彼はダンサーであるヴェラ・サヴィーナとの恋愛が原因でバレエ・リュスを一時的に追われてしまいますが、1925年に再び戻ることになります。その後も、『鋼鉄の歩み』（1927年）や『オード』（1928年）といった先進的な作品を振り付けるなど、彼の才能を発揮しました。

ディアギレフの死後、ロシア・バレエ団は解散の道を辿りますが、マシーンは新たにバレエ・リュス・ド・モンテカルロに参加し、バレエ界の復興に寄与しました。彼はさらに、バレエ映画「赤い靴」（1948年）や「ホフマン物語」（1951年）にも出演し、それぞれの作品でも独自のスタイルを披露しました。

最期はケルンもしくはヴェストファーレン州ヴェーゼケ・バイ・ボルケンで迎えました。マシーンの生涯と業績は、今なお多くのダンサーたちに影響を与え続けています。彼の革新的な振付や演技は、バレエの歴史の中で特別な存在として記憶されています。

参考文献

• - 芳賀直子著『バレエ・リュス その魅力のすべて』（国書刊行会、2009年）

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