レオン・デュリー

レオン・デュリー（Léon Dury）

レオン・デュリーは、19世紀のフランス人医師、領事、そして教育者として知られています。1822年に生まれ、1891年10月24日に70歳でその生涯を閉じました。日本では「レオン・ジュリー」とも表記されます。

人物・来歴

フランスのブーシュ＝デュ＝ローヌ県ラムベスクで生まれたデュリーは、マルセイユで医学を学びました。1854年にフランスでコレラが流行した際には、多くの人々の命を救い、特にイタリア領事を危篤状態から回復させたことでその名を知られるようになりました。この功績により、イタリア国王から勲章を授与され、ナポレオン三世からも賞賛されました。また、クリミア戦争には軍医として3年間従軍し、その働きが認められて勲章を受けています。

1861年（文久元年）、幕府が箱館に病院を建設する計画を立て、駐日フランス公使レオン・ロッシュにフランス人医師の斡旋を依頼した際、デュリーが選ばれて来日しました。しかし、病院建設は実現せず、代わりに長崎でフランス領事に任命されました。領事としての職務を行う傍ら、明治新政府が設立した広運館でフランス語を教えました。その後、フランス政府が長崎領事館を廃止し、アメリカへの転任を命じた際、デュリーはこれを拒否し、京都府の招聘に応じ、官立の京都仏学校でフランス語教師となりました。生徒たちの面倒をよく見たため、彼は生徒たちから深く慕われ、京都仏学校が廃止されて東京の開成学校（現在の東京大学）へ転任する際にも、多くの生徒が彼について上京しました。

開成学校と東京外国語学校で教鞭を執った後、1877年（明治10年）にフランスへ帰国しました。帰国に際しては、槇村正直京都府知事にフランスへの公費留学生を推薦し、自ら選んだ8名の学生を連れて行きました。デュリーは帰国後も日本のことを懐かしく語っていたと伝えられています。1885年には、日本での功績が認められ、勲四等旭日小綬章を受章し、1888年にはマルセイユの名誉日本領事に任命されました。

1891年10月24日、70歳で生涯を閉じました。亡くなる3日前には、家族に「私をマルセイユの日本領事館へ連れて行ってくれ。領事である私は、その職場で死ななければならない」と頼んだと伝えられています。

記念碑

デュリーの恩を受けた日本人有志によって、彼の功績を後世に伝えるために、1899年に記念碑が京都南禅寺に建立されました。1936年には、関西日仏学館内に移設され、現在もその敷地内に佇んでいます。

教え子

デュリーは多くの教え子を育てました。その中でも特に著名な人物として、以下のような名前が挙げられます。

稲畑勝太郎
梅謙次郎
薩埵正邦
高木豊三
富井政章
本野一郎
木村斉次

外部リンク

レオン・ジュリー碑
* レオン・ジュリー碑　碑文の大意

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