レギオン (架空の怪獣)

レギオンの概要

レギオンは映画『ガメラ2 レギオン襲来』に登場する宇宙怪獣で、隕石と共に地球に飛来した未知の生物です。その体はケイ素の化合物で生成され、地球の生物とは異なり、有機物で構成されていません。独自の絶縁体に包まれた甲殻は、様々な電磁波を反射する特性を持っています。

「レギオン」という名は、新約聖書のマルコによる福音書から取られたもので、群れを成す存在を指しています。本作では、ガメラに対する多くのソルジャーレギオンがその名の由来となっています。本来は「Symbiotic Legion」として呼ばれるべきですが、劇中では略称が使用されています。また、次作『ガメラ3 邪神覚醒』にも登場します。

制作背景とデザイン

レギオンは当初、平成ガメラシリーズ第2作の敵怪獣候補として、ギロンや大型バルゴンが考えられていましたが、最終的に新しい宇宙怪獣として定められました。監督の金子修介によれば、レギオンは伊藤和典によるオリジナルの設定であり、実際のデザインには樋口真嗣のアイデアも取り入れられています。金子は、宇宙大怪獣ギララをイメージし、様々な節足動物をモチーフとしたデザインを行ったと語っています。

生態と繁殖

レギオンには全長160メートルの「マザーレギオン」と、1〜2メートルの「ソルジャーレギオン」が存在します。彼らは植物状の生物「レギオンプラント」と共生しています。プラントの種子にはレギオンの卵が埋め込まれており、宇宙空間から地球に落下すると、まずマザーレギオンが孵化し、続いて無数のソルジャーレギオンを生み出します。

レギオンとそのプラントは、食物として土の中の二酸化ケイ素を摂取し、酸素を放出します。興味深いことに、発芽したプラントはマザーとソルジャーが放出する高濃度の酸素を吸収して急成長し、最終的には核爆発に似た大爆発を引き起こし、次世代の種子を宇宙に放出します。この特性のおかげで、レギオンは宇宙を渡ることができるのです。

ただし地球上の生態系はレギオンに適応できず、彼らが放出する大量の酸素ガスによって大気が変化し、生態系を破壊します。さらに、レギオンは不可視の電磁波で情報をやり取りし、特定の周波数を持つ物体を「敵」とみなして攻撃します。これにより、彼らは都市の通信設備などを標的にしました。

映画内での活動

レギオンの種子が北海道の支笏湖に落下し、最初のソルジャーレギオンたちは地下鉄の乗員を襲います。これを皮切りに、さまざまな都市で破壊活動を行い、札幌では巨大なレギオンフラワーを開花させ、仙台でも同様の騒乱を引き起こします。さらに、ガメラとの戦闘を繰り広げ、数度にわたり種子の発射を阻止されますが、最終的には仙台での爆発によって急成長が止まらず、市が壊滅する結果となります。

主要な攻撃手段と能力

レギオンは様々な攻撃手段を持っています。特に「マイクロ波シェル」は、青い光を発しながら対象を蒸発させる強力な攻撃です。また、ソルジャーレギオンは、マザーの命令に従って組織的に行動する性格があり、電磁波に反応する特性を持っています。

まとめ

レギオンは独特な生態を持つ宇宙怪獣であり、映画『ガメラ2』ではその存在によって人類とガメラとの激しい戦闘が描かれています。レギオンはその特異な生態や高い攻撃力で地球に深い影響を及ぼし、シリーズ全体に多くの爪痕を残しました。

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