レジェンドヒーローズ

レジェンドヒーローズ（Legend Heroes）は、株式会社バンダイナムコゲームス（旧ナムコ）が手掛ける人気野球ゲームシリーズ『ファミスタ』に登場する、引退したプロ野球の往年の名選手たちによって編成された架空のチームです。このチームは、特にオンラインゲーム『プロ野球ファミスタオンライン』（2010年以降）およびニンテンドーDS用ソフト『プロ野球ファミスタDS2010』において、公式なチームとして登場しました。略称はLHが用いられます。

そのルーツは古く、ファミスタシリーズの黎明期に遡ります。本記事では、レジェンドヒーローズに至るまでのチームの変遷や、関連するレジェンド級チームについても触れていきます。

チームの変遷と歴史

引退した名選手によるチームのコンセプトは、1988年に発売されたPCエンジン版『プロ野球ワールドスタジアム』に登場した「オールドスターズ」に始まりました。このチームは、メジャーリーガーズやオールドリームスと並ぶ隠しチームの一つでした。同時期に他社からリリースされた野球ゲームにも類似の趣旨を持つチームが存在しましたが、直接的な影響関係は明らかではありません。

オールドスターズ登場以降、初期のシリーズでは、選手の能力を表現したユニークな変名が用いられることが通例でした。しかし、1996年のアーケードゲーム『SUPERワールドスタジアム'96』およびスーパーファミコン用ソフト『スーパーファミスタ5』では、日本プロ野球OBクラブ（現：公益社団法人全国野球振興会）の公認を得て、初めて実名選手による年代別OBチームが登場するという画期的な出来事がありました。これらの年代別チームが登場したのはこの年の2タイトルのみでしたが、後のレジェンドヒーローズへと繋がる重要な試みとなりました。

その後、2006年にサービスを開始した『プロ野球ファミスタオンライン』では、2009年からOB選手をカードとして入手できるようになり、オンライン上でのOB選手活用が進みました。そして、2010年の大型アップデート実施に伴い、改めて日本プロ野球OBクラブの公認チームとして「レジェンドヒーローズ」が正式に編成される運びとなりました。これに伴い、同年に発売されたコンシューマー向けの『プロ野球ファミスタDS2010』にもレジェンドヒーローズが収録されています。さらに、携帯アプリ版『ファミスタモバイル』でも、2010年以降に「OB球団」という名称で同様のコンセプトのチームが登場し、特定のモードでの対戦相手として活躍しました。

レジェンドヒーローズに登録される選手は、原則としてデータ更新時点で存命である元プロ野球選手が対象となっています。しかし、例えば2011年2月に逝去した与那嶺要氏が、その後に2011年度の追加選手としてデータ化されるなど、例外的な事例も存在します。

前身球団

レジェンドヒーローズという名称や、OBクラブ公認による実名化が実現する以前にも、同様のコンセプトを持つチームがシリーズに登場しています。代表的な前身球団は以下の通りです。

オールドスターズ: PCエンジン版『プロ野球ワールドスタジアム』に初登場。
オールドボーイズ: MSX2版『プロ野球ファミリースタジアムペナントレース』に登場。
プロスターズ: 『ファミスタ'89 開幕版!!』から『ワースタ'91』にかけて登場した名称。
オービーズ: アーケード版『SUPERワールドスタジアム』（SWS）に登場。このチームの登場に伴い、それまで各球団に存在したOB代打枠は廃止されました。

これらのチームは、家庭用ゲーム機やパソコン向けソフトで登場しましたが、概ね1991年頃を最後にメインシリーズからは姿を消しました。

OB代打枠の存在

シリーズの初期作である『プロ野球ファミリースタジアム』（1986年）から、『ファミスタ'87』を挟んで、アーケード版『プロ野球ワールドスタジアム』が登場するまでの間、各球団には引退した著名な選手をモデルにしたと思われる変名選手が「OB代打枠」として登録されていました。特にアーケード版ワースタではこの枠が拡充されましたが、『SUPERワールドスタジアム』でオービーズが登場したことで、この個別球団のOB代打枠は廃止されました。

傍系のレジェンド級チーム

レジェンドヒーローズやその直接的な前身球団とは異なる系譜に属する、引退選手や特定の時代のチームをモデルにした球団も存在します。

フィフティーズ: 『SUPERワールドスタジアム』のみに登場したチームで、1950年代を中心に活躍した選手をモデルにしています。選手名は変名でしたが、強力な打線と速球派投手を擁していました。
世代別OBチーム: 1996年の『スーパーファミスタ5』および『SWS'96』に登場した、OBクラブ公認の実名チーム。選手の活躍年代ごとに「シックスティーズ」「セブンティーズ」「エイティーズ」「ナインティーズ」の4チームが存在しました。
* ビクトリーズ・ダイナマイツ: 『ファミスタ'92』に登場したチームで、それぞれV9時代の読売ジャイアンツと1985年の阪神タイガースをモデルとしています。これらのチームは『スーパーファミスタ』にも登場しましたが、選手名が武将や恐竜の名前に入れ替えられていました。

このほか、ゲームブックなどのメディアにおいても、ウルトラオールドスターズといった名称で同様のコンセプトを持つチームが登場しています。

ファミスタシリーズにおけるレジェンドチームは、時代と共にその形や名称を変えつつ、常に過去の名選手たちがゲームの世界で再び輝く機会を提供し続けています。

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