レントシーキング

レントシーキングとは

レントシーキング（英: rent seeking）は、企業やその他の組織が、政府や官僚機構に対して働きかけを行い、自らに有利な法制度や政策の変更を促す活動を指します。このような活動を通じて、企業は規制を設定または緩和し、超過利潤を得ることを目指します。これらの活動に関与する人々は、レントシーカーまたはロビイストと呼ばれます。

レントシーキングの経済的影響

このレントシーキングの活動にかかる資源は、生産的な活動と結びつかないため、社会全体から見ると資源の無駄遣いとして見なされることが多いです。最近の経済学の研究では、レントシーキングが経済成長に与える悪影響が明らかになっています。特にロンドン・スクール・オブ・エコノミクスの教授であるフィリップ・アギオンなどは、アメリカにおける生産性の低下が、GAFA（Google、Apple、Facebook、Amazon）などの巨大IT企業がその影響力を強めることで、ロビー活動やレントシーキングによって他の企業の市場参入を妨げてきたことに起因していると主張しています。

この研究から、アギオンらは政策面での規制強化と競争政策の促進が必要であると提唱しています。企業が競争を避け、特権的な地位を確保する一方で、新たな競争者が市場に入ってくるのを阻止することは、最終的には経済全体の成長を妨げることになります。

主なレントシーカーの事例

以下に、レントシーキング活動に関与した具体的な企業や人物の例を挙げます。

• - 国際興業 - 小佐野賢治
• - ジャパンライン（現：商船三井） - 児玉誉士夫
• - 佐川急便 - 佐川清・渡辺広康
• - 伊藤忠商事 - 瀬島龍三
• - 山田洋行 - 宮崎元伸
• - ジャパンライフ - 山口隆祥
• - 読売新聞社 - 渡邉恒雄
• - リクルート - 江副浩正
• - オリックス - 宮内義彦
• - パソナ - 南部靖之（創業者・社長）・竹中平蔵（会長）
• - 政策工房 - 高橋洋一・原英史
• - NPO法人万年野党 - 竹中平蔵・宮内義彦・高橋洋一・原英史
• - ハンナン - 浅田満
• - ユニバーサルエンターテインメント - 岡田和生
• - 水谷建設 - 水谷功
• - トライベイキャピタル - 三浦瑠麗
• - 小西美術工藝社 - デービッド・アトキンソン
• - 日本端子 - 河野洋平・河野太郎・河野二郎
• - フジマキ・ジャパン - 藤巻健史
• - 住友化学 - 十倉雅和

レントシーキングに関連する項目

レントシーキングの概念は、政治経済学や公共選択論、ロビー活動といった領域と深く関連しています。圧力団体や規制改革会議、または汚職や賄賂などの問題とも結びつくことが多いです。さらに、自由貿易や保護貿易、政商、政治献金といった問題も、レントシーキングの理解において重要な要素です。特に、ミッキーマウス延命法やポリシー・ロンダリングといった手法は、レントシーキングの実例として挙げられます。

上記のように、レントシーキングは経済や政治のさまざまな側面に影響を与える非常に重要な概念です。その理解は、政策決定や経済成長を考える上で欠かせない要素となっています。

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