ロイター板

ロイター板は、体操競技で使用される跳躍を補助するための器具です。板バネを内蔵し、合板の弾性を利用した構造が特徴で、選手が踏み切る際の反発力を生み出すことで、ダイナミックな跳躍を可能にします。

ロイター板は、スプリング式の踏切板の一種であり、「ロイター式踏切板」と呼ばれることもあります。これは、固定式の踏切板と区別するためです。開発者のリチャード・ロイターの名前が由来となっており、その構造から「ロイター式（Reuther model）」とも呼ばれます。

主に、跳馬、平行棒、段違い平行棒、平均台、跳び箱など、体操競技の様々な種目で使用され、オリンピックなどの公式競技でも広く採用されています。1956年のメルボルンオリンピックから使用が開始され、現代の体操競技において欠かせない器具の一つとなっています。

形状は、幅よりも奥行きが長い長方形で、踏み切り面にはわずかな傾斜がつけられています。これにより、よりスムーズな踏み切りと、効果的な反発力が得られます。通常、上面にはカーペットが張られており、選手が滑るのを防ぎ、安全性を高める工夫がされています。

ロイター板の構造には様々なバリエーションがあり、学校教育の現場ではS字形の木製板バネが採用されることが一般的です。その他にも、金属製のバネやゴム、空気圧を利用したロイター板も存在し、使用環境や目的に応じて使い分けられています。これらの多様な構造は、選手のレベルや練習環境に合わせた最適な跳躍サポートを提供するためのものです。

ロイター板は、その反発力を利用した跳躍を可能にするだけでなく、選手の技術を最大限に引き出すための重要な役割を担っています。体操競技において、選手のパフォーマンス向上に不可欠な器具であり、その存在は競技の発展に大きく貢献しています。

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