ロケット・砲兵 (ウクライナ軍)

ウクライナのロケット・砲兵部隊

ウクライナのロケット・砲兵部隊（Ракетні війська та артилерія України）は、ウクライナ軍の中で砲兵としての役割を担う部隊です。砲兵部隊は、従来の火砲や多連装ロケット砲、短距離弾道ミサイル、さらには対戦車砲を運用しており、その能力は多岐にわたります。

編成

ウクライナの各軍団、特に戦車旅団や機械化旅団、山岳強襲旅団、海兵旅団、空中機動・空中強襲旅団は、それぞれ旅団砲兵群を持っています。一般的な編成は次のようになります。

• - 榴弾砲（牽引式または自走式）1～2個大隊
• - 多連装ロケット砲1個大隊（BM-21グラードなど）
• - 対戦車砲1個大隊

ただし、各部隊によっては、榴弾砲の大隊数を減少させたり、多連装ロケット砲や対戦車砲の大隊を省略する場合があります。
また、独立した砲兵旅団も存在し、これらは東西南北の各作戦管区や陸軍司令部、空中機動軍司令部、海兵隊司令部の管轄下に配属されています。

隷下部隊

独立砲兵旅団は、各戦闘旅団の旅団砲兵群以外にも、陸軍のさまざまな偵察やロケット砲・ミサイル部隊がその運用を担当しています。具体的には、以下のような部隊があります：

陸軍

• - 第15独立砲兵偵察旅団
• - 第19ミサイル旅団
• - 第27ロケット砲兵旅団
• - 第43独立砲兵旅団
• - 第107ロケット砲兵旅団

さらに、各作戦管区に配置された独立砲兵旅団が、特定の地域の安全を担当しています。

空中機動軍

空中機動軍に属する部隊には、第148独立砲兵旅団と第147独立砲兵旅団があります。

海兵隊

海軍の砲兵部隊には、いくつかの独立砲兵旅団と大隊が所属しており、それぞれ異なる役割を果たしています。

国家親衛隊

国家親衛隊においても、重戦闘部隊に付随する形で砲兵大隊が編成されていますが、2024年には初の独立砲兵旅団が設立される予定です。

装備品

ウクライナのロケット・砲兵部隊は、2022年以前から以下のような装備を運用しています：

対戦車砲

• - T-12 100mm対戦車砲

牽引式火砲

• - D-30 122mm榴弾砲
• - D-20 152mm榴弾砲
• - 2A36ギアツィント-B 152mmカノン砲
• - 2A65ムスタ-B 152mm榴弾砲

自走砲

• - 2S1グヴォズジーカ 122mm自走榴弾砲
• - 2S3アカーツィヤ 152mm自走榴弾砲
• - 2S7ピオン 203mm自走カノン砲
• - 2S19ムスタ-S 152mm自走榴弾砲

多連装ロケット砲

• - BM-21 グラード
• - BM-27 ウラガン
• - BM-30 スメーチ

弾道ミサイル

• - 9K79-1 トーチカU

地対艦ミサイル

• - R-360 ネプトゥーノ

ウクライナのロケット・砲兵部隊は、戦略的防衛だけでなく、多様な戦術的役割を果たす重要な部隊として位置付けられており、地域の安全保障の重要な要素となっています。その装備と運用能力は、今日の戦闘環境において欠かせない存在です。

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