ロッド・スチュワート・アルバム

ロッド・スチュワート初のソロアルバム：音楽性の原点

『ロッド・スチュワート・アルバム』は、ロッド・スチュワートが1969年に発表した初のソロアルバムです。アメリカ、カナダ、日本では『The Rod Stewart Album』として、イギリス、ドイツ、オランダでは『An Old Raincoat Won't Ever Let You Down』としてリリースされました。ジャケットも異なっています。

制作の背景

ジェフ・ベック・グループを脱退後、スチュワートとロン・ウッドはスモール・フェイセスに加入し、後にフェイセズと改名します。その傍ら、スチュワートはソロ契約も獲得。フェイセズのデビューアルバムに先駆け、本作でソロデビューを果たしました。ロン・ウッドはジェフ・ベック・グループ時代にベーシストでしたが、フェイセズではギタリストに転向。本作ではギターとベースの両方を演奏しています。

収録曲には、ローリング・ストーンズのカバー「ストリート・ファイティング・マン」があり、エンディングには「この世界に愛を」のイントロを模したピアノフレーズが用いられています。「ハンドバッグと外出着」は、マンフレッド・マンのマイク・ダボが書いた曲で、クリス・ファーロウも歌っています。「君だけを」には、プロデューサーのルー・レイズナーがボーカルで参加し、キース・エマーソンがオルガンを演奏しています。

ヴァーティゴ盤のジャケットはマーカス・キーフがデザインしました。2009年には、ヴァーティゴ盤とマーキュリー盤両方のミニチュア版ジャケットがセットになった日本盤SHM-CDが発売されています。

反響と評価

アメリカでは、Billboard 200で200位で初登場後、最高139位を記録。「ハンドバッグと外出着」はBillboard Hot 100で42位に達しました。全英アルバムチャートにはランクインしませんでした。

音楽評論家からの評価も高く、『ローリング・ストーン』誌では選曲やギター、スチュワートのボーカルが絶賛されました。オールミュージックでは5点満点中4.5点を獲得し、ロックとフォークの融合を評価されました。ロバート・クリストガウはAマイナスを付け、演奏、歌唱、作曲の全てを高く評価しています。

収録曲

1. ストリート・ファイティング・マン
2. いつも悲しい男
3. ブラインド・プレイヤー
4. ハンドバッグと外出着
5. オールド・レインコート
6. 君だけを
7. シンディの嘆き
8. ダーティー・オールド・タウン

レコーディング・メンバー

ロッド・スチュワート - ボーカル、ギター
ロン・ウッド - ギター、ベース
マーティン・ピュー - ギター
マーティン・クイッテントン - アコースティック・[[ギター]]
イアン・マクレガン - ピアノ、オルガン
マイク・ダボ - ピアノ
キース・エマーソン - オルガン
ミック・ウォーラー - ドラムス
* ルー・レイズナー - ボーカル

『ロッド・スチュワート・アルバム』は、彼の音楽的なルーツを探る上で重要な作品であり、今日でも多くのファンに愛されています。

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