ロドニー・M・デイヴィス (フリゲート)

ロドニー・M・デイヴィス（FFG-60）

概要

ロドニー・M・デイヴィス（USS Rodney M. Davis, FFG-60）は、アメリカ海軍のオリバー・ハザード・ペリー級ミサイルフリゲートの一艦であり、50番艦にあたります。この艦名は、ベトナム戦争での特別な行動により名誉勲章を受章したロドニー・M・デイヴィス軍曹に因んでいます。彼は1942年から1967年にかけて活躍しました。

艦歴

就役

ロドニー・M・デイヴィスは、1982年10月28日にカリフォルニア州サンペドロのトッド・パシフィック造船所で起工されました。1986年1月11日に進水し、1987年5月9日に正式に就役しました。艦は第15駆逐戦隊に配属され、日本の横須賀港を母港としました。

長崎港寄港

1989年9月15日、艦は「補給と休養」を目的に長崎港に寄港しました。この際、艦長のピーター・G・ロバーツは長崎市役所や県庁を訪れる計画があり、平和祈念像に花輪を捧げることも予定されていました。しかし、この寄港に対して、長崎原爆被災者協議会は核兵器を搭載している疑惑があることから、長崎港での入港を批判し、入港の中止を求めました。それにも関わらず、ロドニー・M・デイヴィスは予定通りに寄港しました。

寄港当日、約400人の被爆者が松が枝埠頭で抗議活動を展開しました。翌日、ロバーツ艦長は長崎市役所を訪問し、本島等市長との会談が行われました。本島市長は非核三原則の遵守について問いただしましたが、艦長はアメリカ側の核搭載に対する公式な立場を回避する回答を繰り返しました。その後、ロバーツ艦長と長崎県庁の柴田芳男副知事は、激しい抗議の中で20分間の協議を行いました。

平和祈念像前での献花が行われる中、山口仙二会長や谷口稜曄らのメンバー約50人が抗議活動を行いました。献花の後に、花輪が倒れてしまう出来事があり、山口会長は違和感を抱いて抗議行動を続けました。この行動はニュースとして報道され、波紋を呼びました。

退役

2005年、ロドニー・M・デイヴィスはワシントン州エヴェレットを母港とし、アメリカ海軍の第9駆逐戦隊に所属していました。2015年1月23日に正式に退役しました。退役後は、2022年に行われたアメリカ海軍主催の多国間共同訓練「リムパック」で標的艦として利用されることになり、7月12日にカウアイ島北方で馬、豪、加、米の4カ国がミサイルを発射し、艦は沈没しました。

ロドニー・M・デイヴィスの歴史は、アメリカ海軍の活動の一部として記憶され続けており、その艦名はベトナム戦争における英雄の名を冠し、平和や核兵器に対する問題を考える材料としても用いられています。

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