ロドリゴ・ゲレロ

ロドリゴ・ゲレロ（Rodrigo Guerrero）は、1988年 1月10日にメキシコシティで生まれたプロボクサーである。第23代IBF世界スーパーフライ級王座を獲得したことで知られる。

キャリア初期

ゲレロのプロキャリアは2005年7月28日に始まった。バンタム級でリングに上がったデビュー戦は4回引き分けとなった。プロ初黒星は2006年3月30日、アベル・ロメロ戦で0-2の判定負けを喫した。この敗戦を機に、ゲレロは持ち前の打撃力を活かしたKO勝利を積み重ねるようになる。同時に、判定まで持ち込む粘り強さも兼ね備えるようになった。

地域タイトル獲得と階級変更

2008年7月26日、後のIBF世界スーパーフライ級王者ファン・アルベルト・ロサスとWBCアメリカ大陸バンタム級王座決定戦を行い、2-1の判定で勝利しタイトルを獲得した。この重要な勝利により、ゲレロは主要団体のIBFで世界ランキング入りを果たした。

2009年4月11日には、スーパーフライ級での適性を試すテスト戦をアルフォンソ・バガラと行った。約9ヶ月ぶりの実戦となったが、7回にバガラの右目が塞がったことによる棄権勝利となり、スーパーフライ級での試合をクリアした。

世界への挑戦

2010年3月6日、カリフォルニア州ランチョ・ミラージュで行われた試合で、WBA・WBC世界スーパーフライ級スーパー王者ビック・ダルチニアンに挑戦した。このクラス屈指の強打者であるダルチニアンに対し、ゲレロは積極的な攻勢を許し、その強打を浴びて自身のペースを掴めないまま、0-3の大差判定負けを喫し、世界王座獲得はならなかった。

同年7月24日、IBF世界スーパーフライ級挑戦者決定戦でフェデリコ・カツベイと対戦。3-0の判定勝ちを収め、クリスチャン・ミハレスへの挑戦権を獲得した。

しかし、2010年11月20日、オクラホマ州でのラウル・マルチネスとのIBF世界スーパーフライ級挑戦者決定戦では、試合は全体を通してゲレロが有利に進めているように見えたが、結果は1-2の判定負けとなり、再び挑戦権獲得に失敗した。

悲願の世界王座獲得

2011年10月8日、バハ・カリフォルニア州ティフアナで、ミハレスの王座返上を受けて再びラウル・マルチネスとIBF世界スーパーフライ級王座決定戦を行うことになった。試合序盤は一進一退の攻防となったが、3回にゲレロがマルチネスからダウンを奪い主導権を握った。その後マルチネスの反撃を受けるも、6回終了間際に偶然のバッティングが発生。マルチネスの負傷が深く試合続行不可能となり、規定によりそれまでの採点による負傷判定となった。結果は3-0の僅差でゲレロが勝利。1年前の雪辱を果たすとともに、待ち望んだ世界王座獲得を成し遂げた。

王座陥落と再起

2012年2月11日、シナロア州ロスモチスでファン・カルロス・サンチェス・ジュニアを相手に初防衛戦を行った。試合前、挑戦者のサンチェス・ジュニアは長身選手に強いゲレロが得意とするタイプと見られ、ゲレロ有利との予想もあった。しかし実際のリングでは、サンチェス・ジュニアの巧みなボクシングに手こずり、得意の強打を効果的に繰り出せないまま試合は進んだ。結果は0-3の大差判定負けとなり、ほぼ一方的なスコアで完敗を喫し、初防衛に失敗して王座から陥落した。

王座陥落後、2012年8月18日にはジョナサン・レコーナ・ラモスに5回棄権で勝利し、再起を果たした。同年11月3日にはカナダでIBF世界バンタム級ランカーのセバスチャン・ゴーティエと対戦し、8回TKO勝ちを収め、バンタム級のランキングを上昇させた。

世界王座への再挑戦

2013年9月3日、香川県高松市で、ファン・カルロス・サンチェス・ジュニアが王座を剥奪されたことに伴い、元WBA世界フライ級王者でIBF世界スーパーフライ級3位だった亀田大毅とIBF世界スーパーフライ級王座決定戦を行った。ゲレロは12回を戦い抜いたものの、0-3の判定で敗れ、約1年7ヶ月ぶりの世界王座返り咲きはならなかった。なお、この勝利により亀田大毅は2階級制覇を達成し、兄の興毅、弟の和毅と共に史上初の3兄弟同時世界王者としてギネス世界記録に認定された。また、JBC公認後のIBF世界王者としても初めてとなった。

その後のキャリア

亀田戦敗北後、2014年2月15日にダニエル・ロサスに7回TKO勝ちで再起。同年7月26日には、重江誉寛とのWBCインターナショナルバンタム級王座決定戦に勝利し、タイトルを獲得した。10月25日にはジョナタン・バアトを相手に初防衛に成功。2015年5月9日にはアルトゥロ・バディージョに7回棄権で勝利するなど、バンタム級戦線で活躍を続けた。

ロドリゴ・ゲレロは、世界王座を巡る激しい戦いや、バンタム級とスーパーフライ級を行き来しながら地域タイトルを獲得するなど、メキシカンらしいタフさとKO能力を武器に長きにわたりキャリアを築いたボクサーである。

獲得タイトル

WBCアメリカ大陸バンタム級王座
第23代IBF世界スーパーフライ級王座（防衛0）
WBCインターナショナルバンタム級王座
メキシコスーパーバンタム級暫定王座

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