ロナルド・フィッシャー (実業家)

ロナルド・フィッシャー、通称ロン・フィッシャー（Ronald D. FisherまたはRon Fisher、1947年11月1日 - ）は、日本とアメリカ合衆国を拠点に活動する著名な実業家です。アメリカ国籍を持ち、ソフトバンクグループの取締役として米国事業を統括する重要な役割を担っています。

経歴

ロン・フィッシャーは、南アフリカのウィットウォーターズランド大学で商学の学士号を取得し、その後コロンビア大学でMBAを取得しました。彼のキャリアは、1972年8月にICL USAでコントローラーとして始まり、1976年4月にはTRWでCFOを務めました。1983年1月にはビジコープで副社長に就任し、その後1984年7月からUNIXソフトウェア会社であるInteractive Systems Corp.で社長として活躍しました。同社は1988年にコダックに買収されるまで、ロンが経営を担っていました。この時期、1985年頃にはソフトバンクグループの創業者である孫正義と出会い、日本ソフトバンクを同社の日本代理店として契約を結んでいます。

1990年1月、経営拡大の反動で損失を抱え、経営不振に陥っていたBIOS開発メーカーのPhoenix Technologies Ltd.のCEOに就任しました。ロンは、同社の業績改善に成功し、Norwood Partners, LP.による敵対的買収から会社を守りながら、海外展開を推進しました。その手腕は高く評価され、彼の経営能力を世に知らしめることとなりました。

ソフトバンクグループでの活躍

ソフトバンクグループでは、1994年3月に設立された政策投資会社SoftBank Holdings Inc.に、1995年10月、ディレクター兼社長として迎えられました。同社は孫正義が社長を務め、ロンは外国企業への政策投資や提携交渉に従事しました。入社直後の同年11月には、21億ドルを投じてZiff Davisの買収を主導し、その際、Ziff DavisのCEOエリック・ヒッポーの仲介により、孫正義と井上雅博がジェリー・ヤンとデビッド・ファイロを紹介され、これが後のYahoo!への出資と1996年1月のヤフージャパン設立につながるきっかけとなりました。また、1996年8月にはキングストンテクノロジー株式の80％を15億800万ドルで買収する交渉にも携わりました（この株式は1999年7月に売却され、725億円の損失を計上しています）。

1997年6月にはソフトバンク（現ソフトバンクグループ）の取締役に就任しました。1998年7月にはイー・トレード株式の28％を取得し、2000年から13年間同社の取締役を務めました。当時、日本ではソフトバンクグループの常務であった北尾吉孝が主導し、合弁会社イー・トレード証券が設立されましたが、後に北尾と共にグループから独立しました。

また、1995年にはSoftBank Holdings Inc.の子会社であるSoftBank Capitalが設立され、ロンはマネージングパートナーとして、純投資を行うベンチャーキャピタルとして、多くの海外投資案件に直接的または間接的に関与しています。SoftBank Capitalは、政策投資を行うSoftBank Holdings Inc.とは異なり、純粋な投資活動に特化しています。

その後の活躍

2013年7月にはSprint Corporation買収に伴い、同社の取締役副会長に就任しました。2014年1月にはブライトスターの子会社化に伴い、Brightstar Global Group Inc.の取締役となり、同年8月には会長に就任しています。2015年6月19日には、ソフトバンクグループの有価証券報告書の開示情報により、国内企業役員報酬としては過去最高となる17億9100万円（株式報酬含む）を受け取っていたことが判明しました。

ロン・フィッシャーは、その卓越した経営手腕と幅広い知識を活かし、ソフトバンクグループのグローバル戦略において重要な役割を果たしています。

関連項目

• - ソフトバンクグループ
• - スプリント・コーポレーション
• - Phoenix Technologies

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