ロニー・スコッツ・ジャズ・クラブ

ロニー・スコッツ・ジャズ・クラブ：ロンドンのジャズの聖地

ロニー・スコッツ・ジャズ・クラブは、1959年にロンドンのソーホー地区にオープンして以来、世界的に有名なジャズクラブとして、その名を馳せてきました。ミュージシャンのロニー・スコットとピート・キングによって設立され、当初はジェラード・ストリートの地下に位置していましたが、1965年にフリス・ストリートのより広い場所に移転しました。

伝説の始まりと発展

クラブの初期には、ズート・シムズをはじめとする多くのアメリカ人ジャズミュージシャンが訪れ、ロニー・スコットは国際的なジャズシーンとの繋がりを築きました。また、タビー・ヘイズやディック・モリッシーといったイギリスの才能も、頻繁にゲスト出演者とジャムセッションを繰り広げました。1960年代には、アーネスト・ラングリンがハウスギタリスト、スタン・トレイシーがハウスピアニストを務め、クラブの音楽的基盤を支えました。

1978年には、クラブ独自のレーベル「ジャズ・ハウス」が設立され、ライブ録音や新録音のアルバムがリリースされました。これにより、ロニー・スコッツは単なるライブ会場から、ジャズ音楽の発信地としての役割も担うようになりました。

ロニー・スコット自身は、クラブの進行役として、そのユーモアあふれる語り口で観客を魅了しました。彼の死後、ピート・キングが経営を引き継ぎましたが、2005年にはサリー・グリーンとマイケル・ワットにクラブが売却されました。

ハウス・ミュージシャンと数々のライブ録音

ロニー・スコッツでは、多くの著名なミュージシャンがハウス・バンドを率いて演奏しました。ドラムにはフィル・シーメン、アラン・ガンリー、トニー・オクスレイ、マーティン・ドルー、マーク・フレッチャーらが名を連ね、ピアノはエディ・トンプソン、スタン・トレイシー、ジョン・クリッチンソン、ジェームス・ピアソンが担当しました。彼らは、スタン・ゲッツ、アート・ファーマー、ローランド・カーク、ジョー・ヘンダーソン、リー・コニッツ、チェット・ベイカーなど、数々の著名なミュージシャンと共演しました。

ロニー・スコッツでは数多くのライブ・アルバムが録音されており、タビー・ヘイズ、ベン・ウェブスター、ソニー・スティット、ウェス・モンゴメリー、ブロッサム・ディアリー、エラ・フィッツジェラルド、ビル・エヴァンス、ニーナ・シモン、ジェフ・ベックなど、様々なジャンルのアーティストの演奏を聴くことができます。

ジミ・ヘンドリックス最後のステージ

1970年9月18日、伝説的なギタリスト、ジミ・ヘンドリックスが公の場で最後に演奏した場所としても知られています。

現在のロニー・スコッツ

2009年には、ブレコン・ジャズ・フェスティバルによって、イギリスのジャズに貢献した最も重要な場所の一つに選ばれました。現在も、ロニー・スコッツ・ジャズ・クラブは、世界中のジャズファンにとって特別な場所であり続けています。連日、トップミュージシャンによる演奏が行われ、ジャズの歴史と伝統を今に伝える貴重な存在となっています。

もう一度検索