ロバート・クライヴ

初代クライヴ男爵ロバート・クライヴの生涯

ロバート・クライヴ（1725年9月29日 - 1774年11月22日）は、イギリスの軍人、政治家、貴族として英領インドの礎を築いた人物です。彼はシュロップシャーの名門に生まれ、幼少期から冒険心に満ちていました。しかし、学業に恵まれず学校を転々とした経歴を持ちます。

1743年、彼はイギリス東インド会社に最下級の書記として入社し、次の年にはマドラスに赴任しました。この時、マドラスはフランス軍に占拠される運命にあり、クライヴ自身も捕虜となりました。しかし、彼は驚異的な脱出を果たし、1747年にはイギリス軍の将校として任官を受けます。クライヴは、その後フランス東インド会社との激しい争いに巻き込まれ、1751年にはマドラスの西方にあるフランス軍の要塞アルコットを占領しました。これにより彼はイギリスでは英雄として迎えられました。

1740年代後半、クライヴは政治家としてのキャリアを本格的に始めましたが、その望みは必ずしも叶わなかったのです。1756年には、セント・デーヴィッド要塞の知事として再度インドに戻りますが、この年、ベンガル太守がフランスと同盟を結びカルカッタを襲撃しました。そのため、1757年にはクライヴが600人のイギリス兵、800人のインド人雇用兵、500人の水兵を率いて、34,000人のベンガル太守軍と戦います。この戦いが「プラッシーの戦い」として知られ、彼は見事勝利を収めたことでベンガルにおけるイギリスの支配権を確立します。

その後、1760年に帰国し下院議員となると、1762年にはアイルランド貴族として男爵に叙爵され、1764年にはナイトに叙爵されました。東インド会社の株主であったことから、同社の財政危機に対しても懸念を抱き、再びインドへ関心を寄せます。1765年にはベンガル知事として、ムガル帝国皇帝からイギリスの支配を公認する勅書を受け取ることとなり、これにより英領インドの基盤がほぼ完成しました。

1767年にインドから帰国後、彼は私腹を肥やしたとして議会で弾劾を受けますが、1773年に無罪が確定します。しかし、彼は屈辱を味わい、健康状態悪化の中でアヘン中毒にかかります。1774年、クライヴはロンドンの自宅にて命を絶ちました。

備考

クライヴは特に「アドワイチャ」という名のアルダブラゾウガメを飼っていたことで知られています。このカメは、主の帰国後の約130年間、インド東部のコルカタの動物園で飼育され続けました。1875年にはアリポーア動物園に移動し、2006年3月23日に肝不全で亡くなりました。推定年齢は250年以上で、過去の記録から世界最高齢と見なされていました。

彼の業績は、歴史の中で重要な位置を占め、今なお多くの人々に学ばれるべきものとなっています。

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