ロバート・C・ギッフェン

ロバート・カーライル・ギッフェン（"アイク"）の生涯

ロバート・カーライル・ギッフェン（通称："アイク"）は、1886年6月29日にペンシルベニア州で生まれ、アメリカ海軍の中将として活躍した軍人です。彼のキャリアは、戦間期から第二次世界大戦終結まで、多岐にわたる海軍任務と作戦参加で彩られています。

生い立ちと初期のキャリア

ギッフェンは、ノートルダム大学を経て海軍兵学校（アナポリス）に進学し、1907年に卒業しました。彼の同期には、レイモンド・スプルーアンスやパトリック・ベリンジャーなど、後の海軍を担う人物たちがいました。卒業後、ギッフェンは士官候補生として戦艦「バージニア」に配属され、グレート・ホワイト・フリートの世界巡航に参加しました。

1909年の巡航終了後、さまざまな艦船に乗り組み、全米ライフル選手権にも定期的に参加しました。1913年から1915年にはワシントン海軍工廠に勤務し、その後、駆逐艦「ウェインライト」に配属されました。第一次世界大戦が勃発すると、ギッフェンは駆逐艦「トリップ」の艦長に任命され、ヨーロッパ水域で第6戦艦部隊の護衛任務にあたりました。その後、地中海に移り、駆逐艦「シューレイ」の艦長としてジブラルタルを拠点に活動しました。

戦間期と第二次世界大戦勃発

大戦終結後の1920年代から1930年代にかけて、ギッフェンはサンフランシスコやキーポートの海軍施設での勤務や、母校アナポリスでの教官を務めるなど、陸上勤務を経験しました。その後、装甲巡洋艦「ヒューロン」の副長、砲艦「サクラメント」の艦長、駆逐部隊司令、給油艦「ナチェス」の艦長を歴任しました。1934年から1937年まで再びアナポリスで教鞭をとり、1938年から1940年まで軽巡洋艦「サバンナ」の艦長を務めました。

1940年に海軍大学校を受講後、海軍作戦部入りし、海軍予備員企画課長に就任。1941年3月、少将に昇進し、第7巡洋艦部隊司令官として海上勤務に戻りました。北大西洋での中立パトロールを指揮し、アメリカが第二次世界大戦に参戦すると、イギリス海軍本国艦隊と協力して輸送船団の護衛にあたりました。

第二次世界大戦・ヨーロッパ戦線

1942年3月、戦艦「ワシントン」を基幹とする第39.1任務群で、ジョン・W・ウィルコックス少将が突然行方不明になる事件が発生し、ギッフェンが指揮を引き継ぎました。悪天候のため捜索は難航しましたが、ギッフェンは重巡洋艦「ウィチタ」を旗艦として、デンマーク海峡や北海でドイツ軍の脅威に対峙し続けました。

秋には、北アフリカでのトーチ作戦に参加し、第34任務部隊司令官ヘンリー・ケント・ヒューイット少将の指揮下、「ウィチタ」を始めとする艦艇を率いてカサブランカ沖海戦でヴィシー政権軍と激戦を繰り広げました。北アフリカ戦線が一段落すると、ギッフェンは太平洋戦線に転戦することになりました。

第二次世界大戦・太平洋戦線

1943年1月4日、ギッフェンは第6巡洋艦部隊司令官と第18任務部隊司令官を兼任し、ガダルカナル島の戦いに参加。1月29日、レンネル島沖海戦で日本軍の陸上攻撃機による波状攻撃を受け、重巡洋艦「シカゴ」が沈没する損害を被りました。この海戦で、ギッフェンは日本軍の航空戦力を甘く見ていたとされています。

その後、アリューシャン方面の戦いに参加し、中部太平洋戦線ではマキンやクェゼリンの戦いで火力支援を担当。1944年2月には、トラック島空襲に参加し、軽巡洋艦「香取」や駆逐艦「舞風」「野分」との戦闘を指揮しました。

戦後

1944年5月14日、ギッフェンは中将に昇進し、プエルトリコのサンフアンを拠点とする第10海軍区司令官兼カリブ海域部隊司令官に就任。水上勤務から離れました。その後、1945年8月26日に大西洋艦隊補給艦隊司令官となり、1946年9月に退役しました。1962年12月10日、アナポリスで76歳で亡くなりました。

まとめ

ロバート・カーライル・ギッフェンは、アメリカ海軍の中将として、第二次世界大戦のヨーロッパ戦線と太平洋戦線の両方で重要な役割を果たしました。数々の海戦に参加し、その指揮能力を発揮しましたが、時には判断ミスもあったとされています。彼の生涯は、アメリカ海軍史において重要な一ページを飾るものとして記憶されるでしょう。

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