ロンロ

ロンロ：オーストラリア競馬史に輝く名馬とその血統

ロンロ (Lonhro, 1998年12月10日 - 2024年4月19日) は、オーストラリア競馬史にその名を刻んだ伝説的な競走馬にして、成功した種牡馬です。その輝かしい経歴と、後世に残した影響について深く掘り下げていきましょう。

圧倒的な競走馬としての活躍

父オクタゴナル、母シャディア（スイートインブレイスステークス優勝馬）という良血を受け継ぎ、ロンロは父譲りの容姿と類まれな能力を備えていました。主戦騎手はダレン・ビードマン。馬名は、馬主であるローランド・ティニー・ローランドが最高経営責任者を務めたロンドン・ローデシアン・マイニング・アンド・ランド・カンパニーの証券コードLONRHOに由来し、「黒い閃光」という愛称で親しまれました。

ロンロは、1100mから2000mという幅広い距離で活躍しました。オーストラリア中距離最強馬決定戦であるコックスプレートには2度挑戦しましたが勝利とはなりませんでしたが、その卓越した能力は他のレースで遺憾なく発揮されました。3歳時にはG1競走を1勝。しかし、古馬へと成長するにつれて真価を発揮し、4歳から5歳にかけて実に10勝ものG1競走を制覇。2003/2004年シーズンには、オーストラリア年度代表馬に選出される栄誉に輝きました。これは父オクタゴナル以来の快挙でした。通算成績は驚異的な35戦26勝2着3回3着2回という記録を残しています。

種牡馬としての成功

2004年に競走馬を引退したロンロは、父オクタゴナルが繋養されていたウッドランズスタッドで種牡馬としてのキャリアをスタートさせました。初年度の種付け料は6万6000オーストラリア・ドルと、当時オーストラリア史上最高額を記録しました。その後、ウッドランズスタッドがダーレーグループに買収された後は、グループ傘下のケルヴィンサイドスタッドで繋養されました。2012年にはシャトル種牡馬としてアメリカ合衆国でも供用されました。

2007/2008年シーズンに初年度産駒がデビュー。産駒であるDenmanがG1競走を制するなど、産駒の活躍は目覚ましく、2010/2011年シーズンにはオーストラリアリーディングサイアーに輝きました。オーストラリアで年度代表馬の受賞経験がある種牡馬がリーディングサイアーを獲得するのは、1969/1970年シーズン年度代表馬、1983/1984年シーズンリーディングサイアーのVain以来の快挙でした。産駒の活躍に伴い種付け料も上昇し、2012年シーズンには11万オーストラリア・ドルにまで達しました。

ロンロは2023年3月23日に種牡馬を引退。そして2024年4月19日、25歳でその生涯を終えました。その血統は、後継種牡馬となったDenman（父と同じケルヴィンサイドスタッドで繋養）に受け継がれ、現在もオーストラリア競馬界に大きな影響を与え続けています。

主な勝ち鞍

ロンロの輝かしい競走成績から、代表的なG1競走勝利を以下に挙げます。

2001年8月 - 2002年7月（3歳） コーフィールドギニー
2002年8月 - 2003年7月（4歳） コーフィールドステークス、マッキノンステークス、チッピングノートンステークス、ジョージライダーステークス、クイーンエリザベスステークス
2003年8月 - 2004年7月（5歳） ジョージメインステークス、コーフィールドステークス、CFオーアステークス、オーストラリアンカップ、ジョージライダーステークス

主な産駒

ロンロの産駒も、数々のG1競走を制覇するなど、父譲りの才能を受け継いでいます。代表的な産駒とG1勝利は以下の通りです。

Beaded - ドゥームベン10000
Benfica - ザTJスミス
Denman - ゴールデンローズステークス
Exosphere - ゴールデンローズステークス
Lindermann - ローズヒルギニー
Mental - パティナックファームクラシック
Pierro - シドニー2歳三冠（ゴールデンスリッパーステークス、サイアーズプロデュースステークス、シャンペンステークス）、カンタベリーステークス、ジョージライダーステークス

ロンロは、競走馬、種牡馬として、オーストラリア競馬界に計り知れない貢献をしました。その偉大な功績は、長く人々の記憶に刻まれ続けるでしょう。

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