ローガル州

ローガル州は、アフガニスタンの34州の一つで、首都カーブルの南東に位置しています。ロガール州と表記されることもあります。州都はプリアラム（Pul-i-Ilam）です。

名前

ローガルという名前は、パシュトゥー語で「大きな山」を意味する「Loy-Ghar」が転訛したという説があります。この言葉は、歴史書「Tarikh e Pehsawar」や19世紀の「Gazeteer of Kohat」にも記述が見られます。

地理

ローガル州の地理的な特徴は、州の北から西へと流れるローガル川です。また、テラ峠も重要な地理的要素です。他の南部諸州とは異なり、地形と気候の関係からケシの栽培はほとんど行われていません。

歴史

ローガル州は、パシュトゥーン人のハタック、アフリディ、オラクザイ族の故地と考えられています。これらの部族は、元々は一つの部族から枝分かれしたとされています。ローガルは、デュアランド・ラインの反対側にあるパキスタンのクッラム管区やバンヌ（カイバル・パクトゥンクワ州バンヌ県、連邦直轄部族地域バンヌ辺境地区）に近い場所に位置しています。クッラム川が流れるこの地域で、ハタック族が最初に定住したのがバンヌであることから、ローガルが彼らの故地である可能性が高いとされています。

ローガルは、南部諸州ほどではないものの、宗教的に保守的な地域です。ローガルの政治史は、近年のアフガニスタンの混乱を象徴するかのようです。アメリカの侵攻前には、州内にターリバーンと北部同盟の支配地域が混在していました。住民は外国の兵士に対して冷淡であるとされていますが、アルカイダの訓練基地も存在していました。また、ヘクマティヤールのヒズベ・イスラーミー（イスラム党、ヘクマティヤール派）の長年の本拠地でもありました。2005年の総選挙では、お尋ね者であったヘクマティヤールが当選しています。ターリバーン政権崩壊後の数年間は、北部同盟（ラッバーニー）のジャマーアテ・イスラーミー（イスラム協会、ラッバーニー派）の支配下にありました。

2007年時点で、ローガル州は隣接する州よりも治安が比較的安定していましたが、自動車爆弾やロケット攻撃による反政府活動が頻繁に発生していました。2021年、アメリカ軍の撤退をきっかけにターリバーンの活動が活発化し、8月13日までに州都プリアラムが制圧されました。

政治

2012年9月時点での州知事は、イクバール・アズィーズィーでした。

行政区分

ローガル州は、以下の6郡とプルイアラム市で構成されています。

Baraki Barak
Charkh
Khushi
Mohamad Agha
Kharwar
Azra

住民

住民の多数はパシュトゥーン人とタジク人です。部族間の土地を巡る争いは、国内の他の地域と同様に政情不安の原因となっています。

出身著名人

アシュラフ・ガニー・アフマドザイ - 政治家、元アフガニスタン財務大臣

関連項目

アフガニスタンの州

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