ローゼンホーマ

ローゼンホーマ：福山競馬の伝説的名馬

ローゼンホーマは、福山競馬場を拠点としたアングロアラブ系の競走馬、そして種牡馬です。類まれな才能で数々のタイトルを獲得し、福山競馬史に燦然と輝く、まさに「福山競馬史上最高の名馬」と称される存在でした。主戦騎手は、現在の高知競馬場調教師である那俄性哲也氏です。

競走馬としての活躍

ローゼンホーマは良血を受け継ぎ、デビュー前から大きな期待を集めていました。旧3歳時はデビュー戦でレコード勝ちを収めると、その後も連勝街道を突き進みます。重賞レースであるヤングチャンピオンでは、ライバルであるニシフジパワアとの接戦を制し、見事勝利を掴みました。この年は6戦全勝という輝かしい成績でシーズンを終えました。

旧4歳になると、その勢いはさらに増していきます。福山ダービーを圧勝で制し、兵庫県園田競馬場で行われた楠賞全日本アラブ優駿へ挑みます。このレースでは、新聞紙面で「瀬戸内の怪物」と称されるほど注目を集め、タイヨウペガサスとの接戦を制し、福山所属馬としてヒダカセイユウ以来2頭目となる楠賞制覇を達成しました。デビューからの連勝記録は13に伸びました。

その後も、福山での活躍は続き、古馬混合重賞金杯を制するなど、福山オープンクラス相手にも楽勝する実力を見せつけました。しかし、全日本アラブ大賞典では、コースに慣れていなかったことや、早仕掛けが裏目に出て、ノムラダイオーに敗れ2着となりました。その後、福山クラシック3冠目のアラブ王冠を制し、福山3冠馬に輝きました。旧4歳シーズンは15戦13勝という素晴らしい成績でした。

旧5歳になると、福山大賞典を制覇するなど活躍を続けますが、斤量増加の影響からか連勝記録はストップ。それでも重賞2勝を含む7連勝を記録します。その後、全日本アラブ大賞典に再挑戦し、念願の優勝を果たしました。この年も10戦8勝という高い勝率をマークしました。

旧6歳シーズンも福山大賞典を制覇するなど順調なスタートを切りましたが、主戦騎手の騎乗停止などもあり、一時低迷。しかしその後は持ち直し、40連対という驚異的な記録を達成しました。これはトウケイニセイの記録更新まで日本における最多連続連対記録でした。しかし、全日本アラブ大賞典連覇か引退かという選択を迫られる中、福山菊花賞で3着に敗れ、ついに引退することとなりました。引退レース後、競馬場内は静まり返った後、大きな騒ぎとなったそうです。

評価

ローゼンホーマは、その圧倒的な戦績からアラブ史上最強馬と評されることが多くあります。福山競馬ファンの中でも、ローゼンホーマとヤナイエースのどちらが最強馬かという議論が今でも行われているそうです。また、サラブレッドとは異なるアングロアラブの競走馬として、全国レベルのレースで活躍し、晩年まで高い競争力を維持していたことから、その連続連対記録の質の高さが評価されています。

種牡馬としての活躍

種牡馬としては、現役時代のような活躍馬は輩出しませんでしたが、重賞勝ち馬を数多く輩出しました。1992年の種牡馬成績ファーストシーズンで1位を記録するなど、種牡馬としても成功をおさめました。また、その名を冠したローゼンホーマ記念は、2007年まで福山競馬場で開催されました。

主な産駒

イエローホーマー：重賞3勝
エリモチャンス：菊水賞（園田）優勝
シリウスファースト：新春賞（園田）、園田金盃（園田）優勝
ハギノハートリング：ローゼンホーマ記念（福山）優勝
ヒカルカンサイ：アラブグランプリ（金沢）優勝
ジョセツローゼン：重賞5勝
ゴージャパン：若草賞（上山）優勝
ナニワレディー：フェニックス賞（名古屋）、ジュニアキング（笠松）優勝
* コウエイエンジェル：高知市長賞（高知）優勝

ローゼンホーマは、競走馬として、そして種牡馬として、競馬界に大きな足跡を残した、まさに伝説の名馬と言えるでしょう。

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