ロードリヨン

ロードリヨン：イギリス競馬史に輝く三冠馬

ロードリヨン (Lord Lyon, 1863-1887) は、イギリスが生んだサラブレッド競走馬として、競馬史にその名を刻んでいます。1866年、輝かしい三冠達成という偉業を成し遂げ、後世に語り継がれる名馬となりました。その生涯は、華麗な競走成績だけでなく、種牡馬としての苦悩や努力に満ちたものでした。本稿では、ロードリヨンの出自から競走成績、種牡馬としての歩み、そして血統まで、詳細にわたって解説します。

出自と幼少期

ロードリヨンは、1863年、ノーサンプトンシャー州オークリーホールで誕生しました。父は2000ギニーステークスとセントレジャーステークスの優勝馬であり、7度のリーディングサイアーに輝いた名種牡馬、ストックウェルです。一方、母パラダイムは競走馬としては成功しませんでしたが、優れた乗用馬としての素質を持ち、その血統には3ギニーという安価な種牡馬、パラゴーンが名を連ねます。パラダイムの母であるエレンホーンは、ロードリヨンの生産者であるマーク・ピアソン大佐が妻のために購入した馬でした。パラダイムはロードリヨン以外にも、後にセントレジャーステークスやドンカスターステークスを制したアチーブメントなど、多くの優秀な仔を産みました。

ロードリヨン自身は鹿毛の体高15.3ハンドで、優れた骨格と短い繋を持っていましたが、完璧なバランスとは言い難い体格でした。気性は従順で穏やかで、調教師からは「管理した中で最も静かな馬」と評されました。しかし、喉の機能に問題を抱えており、手術を受けるまでその能力を制限されていました。

競走成績：デビューから三冠制覇まで

ロードリヨンは、1歳時の1864年9月に最初の試走を行いました。厳しい調教を経て、2歳時の1865年にはシャンペンステークスで同着優勝を果たし、続くトロイステークスとクライテリオンステークスを制覇。早くからその才能を示しました。

3歳となった1866年は、ロードリヨンにとって最も輝かしいシーズンとなりました。2000ギニーステークス、ダービーステークス、そしてセントレジャーステークスと、三冠を達成したのです。ダービーステークスでは不正な発走による遅延や、ライバルとの接戦を制し、その強さを証明しました。セントレジャーステークスでの勝利は、特にエキサイティングなレースとして語り継がれています。

4歳時（1867年）も、トライアルステークス、クレイヴンステークス、バイエニアルステークス、ストックブリッジカップなどで勝利を収めました。しかし、最後のレースとなったクイーンズプレートでは惜しくも敗れ、1868年に競走生活に幕を閉じました。

種牡馬としての生涯：成功と苦悩

競走馬を引退したロードリヨンは、種牡馬として新たな道を歩み始めます。しかし、その道のりは容易ではありませんでした。短すぎる脚など、体格上の問題による慢性的な脚部不安に悩まされ、種牡馬としての成功は限定的なものにとどまりました。各地の牧場を渡り歩く中で、脚部不安の悪化により安楽死の危機に瀕するも、関係者の尽力により命を繋ぎました。晩年はノースヨークシャーで種牡馬として供用され、1887年4月12日、24歳でその生涯を終えました。

血統

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参考文献

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