ロード・ブレアース

ロード・ブレアース: プロレス界の貴族

ロード・ブレアース（本名: ジェイムス・ブレアース、1923年8月13日 - 2016年3月3日）は、イギリスのマンチェスター出身の著名なプロレスラー兼プロモーターです。彼はプロレス業界において多大な影響を与え、特に太平洋岸レスリング連盟（PWF）の初代会長として知られています。また、彼はそのリングネームとして「ロード・ジェイムス・ブレアース」を名乗ることもありました。

プロレスラーとしてのキャリアの始まり

ブレアースは、渡米前に水泳選手としての素質を持っており、1940年に東京オリンピックのイギリス代表として出場する予定でしたが、第二次世界大戦の影響で大会は中止になりました。その後、地元のYMCAでレスリングを学び、アメリカに渡ったのです。彼の父親は貴族であり、ブレアース自身も本物の英国貴族です。特にハワイにおいてタッグマッチの名手として活躍し、太平洋沿岸タッグ選手権を数回獲得しました。

彼のパートナーには、若き日のニック・ボックウィンクルも含まれており、こうした背景から、彼はアメリカのプロレス界で名を馳せていきました。また、アントニオ猪木ともその武者修行期間中にハワイでタッグを組んだ経験があります。

日本プロレスとの関係

ブレアースは1959年に日本プロレスのワールドリーグ戦にイギリス代表として初来日し、その後1961年には覆面レスラー「ミスターX」として再登場しました。得意技はレッグストレッチでありましたが、現役時代の来日はこの二度だけに終わりました。しかし、ハワイでプロモーターとして活動していたことから、日本との繋がりを運命的に築くことになりました。

ジャイアント馬場との友情も深く、馬場が全日本プロレスを設立した際には、ブレアースがPWFの会長に選ばれました。これにより、彼は何度も日本に訪れ、タイトルマッチやリーグ戦で立会人として活躍するようになりました。ハワイにあるPWFの本部は、ブレアースの自宅に置かれていました。

全日本プロレスでの名声

1970年代から1980年代にかけて、ブレアースは全日本プロレスの歴史において数多くのビッグマッチに出席しました。特に馬場のNWA世界ヘビー級王座獲得や、ジャンボ鶴田のAWA世界ヘビー級王座奪取など、重要な試合で彼の姿が見られました。日本語の「コンバンワ」「サンキュードーモアリガトゴザイマシタ」といったフレーズを交えたタイトルマッチ宣言は、ファンにとって印象深いものでした。

1979年のプロレス夢のオールスター戦では、コミッショナーとして登場し、馬場や猪木との記念写真も残されています。この時期、年々来日回数は減少しましたが、毎年の世界最強タッグ決定リーグ戦の開会宣言は彼の役割であり続けました。

最晩年までの影響

高齢になったブレアースは2001年1月にスタン・ハンセンに会長職を譲り、名誉会長となりました。彼はNWA傘下でハワイのプロモーターとして活躍し、AWAのバーン・ガニアと友好関係にもありました。また、著名な試合のレフェリーを務めるなど、プロレス界での地位を確立してきました。

2016年3月3日、92歳で彼はこの世を去りました。全日本プロレスでは、彼の死を悼むため、2016年のドリームパワーシリーズ開幕戦において追悼セレモニーが行われました。子息のジェイムス・ブレアース・ジュニアはサーフィンの世界王者となるなど、家族の人々もそれぞれに成功を収めています。

ロード・ブレアースの遺した功績は、日本のプロレス史上において輝かしいものとして語り継がれています。

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