ローバー・75

ローバー75の概要

ローバー75は、イギリスの自動車メーカーであるローバーが製造・販売していた乗用車で、1998年に英国モーターショーで初めてお目見えしました。このモデルは、ローバー・600およびローバー・800の後継車として位置づけられ、派生モデルにはステーションワゴン版「ローバー75・ツアラー」が存在します。ローバー75は、親会社のBMWの影響を受けており、特にBMWのライバルとなるモデル（3シリーズや5シリーズ）との差別化を図るため、独自の高級感あふれるデザインが採用されました。

デザインと特徴

ローバー75は、英国らしいスタイリングを前面に押し出したデザインが特徴で、外観は優雅で高級感があります。内装も高品質な素材を使用し、居住性と快適性が追求されています。ローバー75は、その豊かなデザインとともに、さまざまなエンジンバリエーションが提供されました。ローバー製の直列4気筒ガソリンエンジンを始め、KV6というV型6気筒エンジン、BMW製の直列4気筒ディーゼルエンジン、さらにはフォード製のV型8気筒エンジンも選択可能でした。

V8モデルは後輪駆動（FR）を採用していますが、その他のモデルは前輪駆動です。この多様なパワートレインの選択肢は、ドライビングプレジャーだけでなく、異なる顧客ニーズにも対応する着眼点を持っています。

販売と歴史

2004年にはマイナーチェンジが行われ、さらなる改善が施されましたが、残念ながらMGローバーが経営破綻した影響で、2005年4月には生産と販売が終了してしまいました。生産は当初オックスフォードのカウリーにある工場で行われ、その後バーミンガムのMGローバーロングブリッジ工場に移管されました。

日本市場

日本では1999年9月にローバージャパンがセダンモデルの「コニサー」と「クラブ」を発売しました。どちらのモデルもKV6エンジンを搭載していたものの、2000年頃にはBMWがローバー部門から撤退したため、販売は終了しました。しかし、2003年にMG ROVER NIPPONが再輸入を開始し、「75ツアラー」が再び日本市場に登場しました。

姉妹車と後継

ローバー75には、バッジエンジニアリングによりMGブランドから派生した姉妹車「ZT」も存在します。また、中国の上海汽車はローバー75の生産ラインを取得し、一部改良を施した「栄威（ロンウェイ, Roewe）750」として、2006年から2016年まで生産・販売を行いました。フォードがローバーブランドの所有権を持っていたため、独自ブランドが必要とされ、これによりRoewe 750の登場が実現しました。

関連項目

• - ローバー・600
• - ローバー・800

ローバー75は、デザイン、エンジン選択肢、そして英国の伝統を体現するモデルとして高く評価されており、自動車史に名を刻む存在となっています。

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