ローリー (ノースカロライナ州)

ローリー（Raleigh）について

ローリーはアメリカ合衆国ノースカロライナ州の中央部に位置し、州都やウェイク郡の郡庁所在地です。人口は約46万7千人（2020年）で、州内ではシャーロットに次ぐ規模を誇る都市です。ローリー市域の大部分はウェイク郡に属し、一部には隣接するダーラム郡も含まれています。さらに、西には発展著しい衛星都市ケーリーがあり、ローリーの成長を支えています。また、ローリーはダーラム、チャペルヒルと共に「リサーチ・トライアングル」と称される都市圏を形成し、科学研究や教育機関が集中する地域です。このトライアングルはノースカロライナ州立大学、デューク大学、ノースカロライナ大学によって名付けられました。

歴史

ローリーの歴史は1770年に遡ります。ジョエル・レーンが提案した結果、ウェイク郡が創設され、その18年後、ローリーは州都に選ばれました。市名はエリザベス・タウンに最初のイングランド植民地を築いた探検家、ウォルター・ローリーに由来しています。ローリーは州都として計画的に建設された数少ない都市の一つであり、1794年には初の議会が開催され、1799年には地元新聞が初めて発行されました。

19世紀には、鉄道網の整備が始まり、ローリー近郊でファースト・フェアが行われるなど、インフラ整備が進みました。さらに南北戦争中には市は南軍、北軍の両軍に接触される運命をたどりましたが大きな被害を受けることはありませんでした。しかし、戦後の経済問題により成長は数十年間停滞しました。

戦後の1865年、アフリカ系市民への教育機会が与えられ、ショー大学などが開校しますが、それに続いて厳しい人種差別政策が実施され、大部分の黒人市民から投票権が剥奪されることとなりました。これが完全に改善されるのは1965年以降となります。

近代化

1929年に最初の空港が開港したものの、その後経済的な困難からの回復を目指し、1930年代には雇用を創出するための努力が見られます。新たな歴史の中で1959年にリサーチ・トライアングル・パークが設立され、テクノロジー企業の誘致が進むなど、急速な成長が見られるようになりました。2000年代に入るとスカイラインに高層ビルが立ち並び、さらなる発展を遂げました。

地理と気候

ローリーはピードモント台地と大西洋岸平野の境に位置し、非常に良好な地理条件を備えています。市内の総面積は約299.3平方キロメートルで、陸地と水域がバランス良く配分されています。気候は四季がはっきりしており、温暖湿潤気候に分類されます。夏は蒸し暑く、冬は穏やかな冷え込みがあります。

教育と文化

教育機関も豊富で、ノースカロライナ州立大学のほか、数校の私立大学も存在します。文化面では、ノースカロライナ美術館やプログレス・エナジー演技芸術センターなどがあり、年間を通じて多くのアートイベントやパフォーマンスが行われています。ローリーは多様な移民文化が根付いており、国際色豊かな都市でもあることから、様々な文化交流が生まれています。

経済

産業面ではハイテク分野が特に注目されており、数多くのIT企業が集積しています。ローリー全体やリサーチ・トライアングル地域の成長は、経済高揚をもたらし、相対的に豊かな生活水準を実現しています。

都市機能としても交通網が発達し、ローリー・ダーラム国際空港は地域の重要な空の玄関口。州間高速道路や公共交通機関も充実しており、便利な移動が可能です。ローリーは、歴史、教育、文化と産業が融合する魅力ある街です。

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