ワンス・アポン・ア・ロング・アゴー

ワンス・アポン・ア・ロング・アゴー (Once Upon A Long Ago)

ポール・マッカートニーが1987年の11月に発表した「ワンス・アポン・ア・ロング・アゴー」は、彼の40枚目のシングルとしてリリースされ、ベスト・アルバム『オール・ザ・ベスト』に収録されたことで注目を浴びました。この曲は、発表からわずか2週間後にシングルとしてリリースされ、多くのファンの心をつかみました。プロデューサーはフィル・ラモーンが担当し、ミキシングにはジョージ・マーティンが関わっています。

制作背景

この楽曲はもともと、1987年に公開された映画『プリンセス・ブライド・ストーリー』のために作られたという説があります。映画監督のロブ・ライナーから依頼を受け、いくつかの曲や劇伴音楽を提供したマッカートニーですが、作品の雰囲気には合わず、「感傷的すぎる」として却下されました。しかし、彼はその後もこの曲に強い愛着を持ち続けました。

マッカートニーは1988年の春、ファンクラブ向けの会報で「最近フィル・ラモーンとレコーディングをしてきた。そのアウトプットには僕たちが特に気に入った曲がある。この曲には素敵な側面があって、非常に印象深い作品だ。僕はこの曲が好きでたまらない」とコメントしています。

チャート成績

このシングルは、イギリス・チャートで最高10位を記録しました。現在（2024年時点）では、ポール・マッカートニーがイギリスでトップテン入りした最後のシングルとなっており、その後1996年にビートルズとしてリリースされた「フリー・アズ・ア・バード」がチャートインを果たしました。アメリカではこのシングルはリリースされておらず、アメリカ版の『オール・ザ・ベスト』にも収録されていませんでした。1993年には「ポール・マッカートニー・コレクション」シリーズの一環として、アルバム『プレス・トゥ・プレイ』の中でロング・バージョンがボーナストラックとして初めて収録されました。

収録内容

シングル及び12インチ版には、以下の収録曲が含まれています：

- ワンス・アポン・ア・ロング・アゴー - Once Upon A Long Ago (シングルバージョン)
- バック・オン・マイ・フィート - Back On My Feet

また、12インチ版やCDシングルには様々なバージョンが収録され、興味深い曲のアレンジが楽しめます。特にロングバージョンでは、他の曲との組み合わせが異なるため、多様な聴き方が可能です。

クレジット

この曲は、ポール・マッカートニーのリード・ボーカルの下、以下のメンバーが演奏に参加しています：

- リンダ・マッカートニー - バッキング・ボーカル、タンバリン
- ティム・レンウィック - エレクトリック・ギター
- ニック・グレニー＝スミス - キーボード
- ヘンリー・スピネッチ - ドラムス
- アイドリアン・ブレット - フルート
- スタン・スルツマン - サクソフォン
- ナイジェル・ケネディ - バイオリン

プロデュースはフィル・ラモーンが行い、ミキシングとオーケストラ・アレンジメントはジョージ・マーティンが手掛けました。

ミュージックビデオ

「ワンス・アポン・ア・ロング・アゴー」のミュージックビデオは1987年の10月16日にバレー・オブ・ロックスで撮影されましたが、初日は悪天候に苦しみました。強風と大雨の中での撮影は難航しましたが、その後天候が回復し、撮影には最適な条件が整いました。空撮シーンはキャッスル・エアによって担当されています。

このように「ワンス・アポン・ア・ロング・アゴー」は、ポール・マッカートニーの創造力と音楽的なアプローチが融合した作品であり、音楽シーンにおいて重要な位置を占めているのです。

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