ヴァレンツァ

ヴァレンツァ（Valenza）は、イタリア共和国ピエモンテ州アレッサンドリア県に属するコムーネ、すなわち基礎自治体です。
人口は約1万9千人で、ピエモンテ州の主要都市であるトリノからは東へおよそ80キロメートル、県都アレッサンドリアからは北へ約11キロメートルの距離に位置しています。

地理

ヴァレンツァはポー平野の南縁に位置し、ポー川に近接しています。
イタリアの地震リスク分類においては、比較的リスクが低いとされる「4」のカテゴリーに区分されています。

歴史

ヴァレンツァの歴史は非常に古く、紀元前2世紀にローマ共和国がこの地に築かれていたリグリア人の砦を掌握したことに始まります。
ローマはここに「フォルム・フルウィイ・ウァレンティヌム」（Forum Fulvii Valentinum）と呼ばれる都市広場を建設し、そこは裁判や商業取引が行われる中心地となりました。

西ローマ帝国が480年に崩壊すると、それまで丘の上に暮らしていた住民の多くが、より交通や生活に便利な現在の市街地へと移り住みました。
しかし、帝国の衰退は街に安定をもたらすことはありませんでした。
ヴァレンツァはブルグント人の侵攻を受けて破壊され、その後はゲルマン民族の一部族であるランゴバルド王国の支配下に置かれることになります。

中世に入り、フランク王国が北イタリアを征服すると、ヴァレンツァはモンフェッラート侯国の領土の一部となりました。

14世紀、ヴァレンツァの運命は再び大きく動きます。
1370年には、後にミラノ公となるガレアッツォ1世・ヴィスコンティ率いるミラノ公国軍によって征服され、その支配下に入りました。

近世に入ると、イタリアはヨーロッパ列強間の角逐の場となり、ヴァレンツァもその影響を免れませんでした。
1499年と1515年には、強力な軍事力を持つフランス軍によって相次いで占領されました。
その後、神聖ローマ皇帝カール5世率いるスペイン軍がイタリアにおける勢力を拡大する中で、1521年にはスペイン軍に征服されます。
一旦は1523年に再びフランス軍の手に落ちますが、数年後にはカール5世のもとへ返還されるなど、支配者がめまぐるしく変わる状況が続きました。
1557年にはフランスに降伏を余儀なくされ、最終的には1559年のカトー・カンブレジ条約によってスペインに割譲されることになりました。

17世紀、三十年戦争がヨーロッパを席巻する中、ヴァレンツァは再び戦火に巻き込まれます。
1635年には、フランス、パルマ公国、サヴォイア公国の連合軍による激しい攻撃に対し、驚くべき60日間の抵抗を見せました。
しかし、その数年後の1641年、フランス・スペイン戦争の中で再びフランス軍に包囲されます。
さらに1656年には、フランス、サヴォイア、モデナ＝レッジョ公国の連合軍による70日間に及ぶ包囲戦の末、ついに降伏しました。
1696年にもフランスとサヴォイアの連合軍による包囲を受けましたが、この時は持ちこたえることに成功しています。

18世紀初頭のスペイン継承戦争では、サヴォイア公ヴィットーリオ・アメデーオ2世率いるサヴォイア公国軍によって1707年に征服され、その支配下に移りました。

ヴァレンツァがイタリアの統一国家の一部となるのは、1861年のイタリア王国成立を待ってのことでした。
このように、ヴァレンツァは古代から近世にかけて、戦略的に重要な位置にあったことから、実に多くの支配者や勢力による激しい攻防と支配権の移り変わりを経験してきた歴史を持っています。

姉妹都市

ヴァレンツァは、イタリア国内のロッカ・インペリアーレと姉妹都市提携を結んでいます。

ヴァレンツァはその長い歴史の中で培われた伝統、特に宝飾品製造の中心地としても知られていますが、入力情報にはその詳細は含まれていないため、本記事では歴史的変遷を中心に記述しました。

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