ヴァレーデラルナ

ヴァレーデラルナ：月の谷の輝きと、その軌跡

ヴァレーデラルナ(Valle de la Luna)。スペイン語で「月の谷」を意味するその名を持つ競走馬は、2019年1月17日生まれの牝馬です。2022年のJBCレディスクラシック制覇という輝かしい実績を残し、日本の競馬史に名を刻みました。

始まりと才能の芽生え

ヴァレーデラルナの競走馬としてのキャリアは、2019年のセレクトセール当歳市場から始まります。1億800万円という高値で東洋木材に落札され、その時点で大きな期待を背負っていたことが分かります。

2歳となった2021年、10月31日の阪神芝1600mの新馬戦でデビュー。初戦は4着と結果を残せませんでしたが、続く2戦目からダートに転向。見事な勝利を収め、潜在能力の高さを証明しました。

3歳時の躍進とJBCレディスクラシック制覇

3歳となった2022年は、さらに飛躍の年となりました。3歳1勝クラスでは2着、その後も惜しい競馬が続きましたが、6月25日の3歳以上1勝クラスで圧巻の逃げ切り勝ちを収めます。続く八女特別、トルマリンステークスと連勝を重ね、オープン入りを果たします。

そして迎えたJBCレディスクラシック。重賞初挑戦にしてJpnIという大きな舞台でしたが、ヴァレーデラルナは2番手からレースを進め、終盤の激しい競り合いを制し、グランブリッジをクビ差で抑え優勝。4連勝でJpnI制覇という快挙を成し遂げ、鞍上の岩田望来騎手とともに大きな喜びを分かち合いました。

4歳以降と引退

4歳となった2023年も、TCK女王盃、エンプレス杯とダートグレード競走で2着と好走を続けます。しかし、かしわ記念で8着と初めて連対を外すと、秋初戦のレディスプレリュードでも6着と結果を残せず、連覇がかかったJBCレディスクラシックでは11着と大敗。このレースがヴァレーデラルナの現役最終戦となりました。

2024年1月11日付でJRAの競走馬登録を抹消され、華麗な競走生活に幕を閉じました。引退後は北海道安平町のノーザンファームで繁殖牝馬として第二のキャリアを歩み始めます。

血統と未来

ヴァレーデラルナの母は、亜GIのエストレジャス大賞ジュヴェナイルフィリーズ勝ち馬であるセレスタです。さらに、半妹には2023年クイーンカップ勝ち馬のハーパー(父ハーツクライ)がおり、優れた血統背景を持つことが分かります。

ヴァレーデラルナは、その競走成績だけでなく、優れた血統と将来の繁殖牝馬としての期待も背負い、競馬界に大きな足跡を残しました。月の谷の名を冠した彼女は、これからも日本の競馬界に輝きを放ち続けることでしょう。

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