ヴェチェスラヴ・トゥミル

ヴェチェスラヴ・トゥミルは、バチカンの司祭であり外交官です。クロアチアのオシエク出身で、2018年8月2日より駐日参事官、2020年9月8日より兼臨時教皇大使代理を務めました。

生い立ちと司祭への道

トゥミルは、ユーゴスラビア社会主義連邦共和国（当時）のクロアチア社会主義共和国で生まれました。少年時代には祖国戦争（クロアチア独立戦争）を経験し、この出来事が彼の人生に大きな影響を与えました。戦争終結後、地元の教区や聖歌隊で奉仕活動に励み、高校生になる頃には司祭になることを決意します。

ジュロ・フラニッチ教授（後のジャコヴォ・オシエク教区長）の指導のもと神学を修め、2002年に司祭として叙任されました。2003年には、ヨハネ・パウロ2世教皇がクロアチアを訪問し、トゥミルの所属する教区であるオシエクとジャコヴォにも来臨しました。この経験は、彼の信仰をさらに深めるものとなりました。

外交官としてのキャリア

2003年より教皇庁立教会アカデミーで外交を学び、卒業後はジンバブエ、ウクライナ、キューバ、チリで外交官として奉職しました。これらの国々での経験を通して、国際感覚を磨き、多様な文化への理解を深めました。

2018年8月2日、参事官として日本に着任しました。日本の文化や社会に触れ、様々な人々と交流する中で、日本への理解を深めていきました。2019年11月には、フランシスコ教皇が日本を訪問しましたが、このときトゥミル参事官も教皇を迎接しました。教皇の訪日は、日本のカトリック教会にとって大きな喜びであり、トゥミル自身もその一員として貢献できたことを誇りに思っています。

2020年9月8日、ジョセフ・チェノットゥ駐日教皇大使が逝去したことに伴い、トゥミル参事官が臨時代理大使に就任しました。レオ・ボッカルディが駐日教皇大使に就任するまでの間、臨時代理大使として、日本とバチカンの友好関係維持に尽力しました。

日本での活動と貢献

トゥミルは、駐日参事官および臨時代理大使として、日本とバチカンの関係強化に大きく貢献しました。また、日本のカトリック教会の活動を支援し、日本の社会福祉にも関心を寄せました。彼の温厚な人柄と誠実な態度は、多くの人々に感銘を与えました。

関連事項

* 駐日ローマ教皇庁大使館

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