ヴェネツィア・サンタ・ルチーア駅

ヴェネツィア・サンタ・ルチーア駅：水の都の玄関口

ヴェネツィア・サンタ・ルチーア駅（Stazione di Venezia Santa Lucia）は、イタリアのヴェネツィア本島に位置する主要な鉄道駅です。カナル・グランデの西端に位置し、本土からの鉄道網と接続する重要な交通拠点となっています。

概要

この駅は、ヴェネツィアと本土を結ぶリベルタ橋の先に位置するメストレ駅からの列車を振り分ける役割を担っています。ミラノ、ヴェネツィア、トリエステ、ウーディネ方面への路線が伸びていますが、いずれもメストレ駅までは線路を共有しています。イタリアの主要な13駅「グランディ・スタツィオーニ」の一つであり、IATA空港コードはXVQで登録されています。

歴史

1860年、ヴェネツィアがオーストリア帝国統治下にあった時代に、本島への鉄道乗り入れが始まりました。この際、現在駅がある場所に建っていたサンタ・ルチーア教会が取り壊され、その跡地周辺に駅が建設されました。駅名は教会名に由来します。1861年に開業し、1924年からはアンジェロ・マッツォーニによる駅舎近代化計画が開始されました。1934年には貨物駅併設のコンペが行われ、ヴィルジーリオ・ヴァロットの案が採用され、マッツォーニとヴァロットの協力の下、1936年から1943年にかけて改築が行われました。さらに、戦後の1952年にはパオロ・ペリッリによる増改築も実施されています。2009年から2012年にかけては、2400万ユーロを投じた大規模なリノベーションが行われ、現代的な駅へと生まれ変わりました。

駅構造

駅には22のホームがありますが、20番線は欠番となっており、実質的には23番線までが存在します。この構造は、複雑な列車運行を円滑に行うための工夫と言えるでしょう。

利用状況

1日あたり約82,000人、年間では約3,000万人もの利用客がこの駅を利用しています。毎日約450本の列車が発着し、ヴェネツィア観光やビジネスに欠かせない存在となっています。

駅周辺

駅周辺には多くの観光スポットや交通拠点があります。

ヴァポレット・ゴンドラ乗り場（フェッロヴィア）: 駅正面からカナル・グランデに出た場所にあり、水上バスやゴンドラを利用する際に便利です。
スカルツィ橋: 駅を出て左手にあり、カナル・グランデを渡ってサン・ポーロ地区へアクセスできます。
コスティトゥツィオーネ橋: 駅を出て右手にあり、カナル・グランデを渡ってローマ広場へ直接つながっています。ローマ広場は道路交通のターミナルです。
ミスティコ庭園、スタツィオーネ庭園、サン・シメオン・ピッコロ教会、ローマ広場、ヴェネツィアトラム ローマ広場電停、ヴェネツィア・ピープル・ムーバー ローマ広場駅、パパドポリ庭園: これらの施設は駅から徒歩圏内にあり、ヴェネツィアの魅力を感じられるでしょう。

隣の駅

この駅には以下の鉄道会社が乗り入れています。

トレニタリア: フレッチャロッサ、フレッチャルジェント、フレッチャビアンカ、ユーロシティ、railjet、ユーロナイト、インターシティ・ノッテ、レギオナルトレインが利用可能です。ヴェネツィア・メストレ駅やヴェネツィア・ポルト・マルゲーラ駅が隣接しています。
ヌオーヴォ・トラスポルト・ヴィアッジャトーリ（NTV）: イタロが利用可能です。ヴェネツィア・メストレ駅が隣接しています。
ベルモンド社: ベニス・シンプロン・オリエント・エクスプレスが利用可能です。インスブルック中央駅が隣接しています。
Sistemi Territoriali: レギオナルトレインが利用可能です。ヴェネツィア・ポルト・マルゲーラ駅が隣接しています。

まとめ

ヴェネツィア・サンタ・ルチーア駅は、単なる交通機関の駅というだけでなく、ヴェネツィア観光の起点となる場所です。その歴史と構造、周辺の観光スポットを把握しておくことで、よりスムーズで快適なヴェネツィア旅行を楽しめるでしょう。



ヴェネツィア・サンタ・ルチーア駅公式サイト
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