ヴェリエフェンディ競馬場

ヴェリエフェンディ競馬場：トルコ競馬の中心

ヴェリエフェンディ競馬場は、トルコ・イスタンブールに位置する国内最大の競馬場です。ここでは、トルコ競馬の最高峰であるガジ賞（ガジダービー）や、かつてはマイル競走として欧州最高クラスの賞金総額を誇ったトプカプトロフィーといった重要な競走が開催されています。

歴史

競馬場は、イスタンブールのヨーロッパ側に位置し、旧市街を区切るテオドシウスの城壁外、バクルキョイにあります。その地名は、18世紀にこの場所に緑地と噴水を造営し、市民の憩いの場としたオスマン帝国のヴェリユッディン・エフェンディに由来します。

1911年、エンヴェル・パシャがイスタンブールにおける競馬の開催地としてこの緑地を選定。翌年にはドイツの建築家によって競馬場が建設され、1913年には競馬開催を担うスィパーヒー協会騎手クラブと馬匹血統改良協会が設立されました。

第一次世界大戦による中断後、1923年にはスコットランドのハミルトンパーク競馬場の関係者によってマクリキョイレーシングシンジケートが設立され、近代的な競馬が開催されました。しかし、その後は資金難などにより十分な競馬開催ができませんでした。

1953年、トルコ政府からトルコジョッキークラブに馬券発売を伴う競馬の開催権限が委任され、本格的な競馬が開始。1968年には、トルコのダービー競走であるアタテュルク賞（現在のガジ賞）が初めてこの競馬場で開催されました。

1990年からは国際競走が開催されるようになり、外国調教馬の出走を促すため、1991年にインターナショナルレーシングフェスティバルが開始されました。2008年には夜間照明設備が整備され、ナイター開催も行われるようになりました。

コース

コースは右回りで、第1コーナーから第2コーナーにかけてはややきつく、第3コーナーから第4コーナーにかけてはやや緩い楕円形をしています。外側には1周2020mの芝コース、内側には1周1870mのポリトラックコースがあります。さらに内側には1周1720mの調教用ダートコースが設けられています。

設備

競馬場には、2棟の大型スタンド、パドック、大型LEDディスプレイ、LED着順掲示板など、近代的な設備が備わっています。敷地面積は約596,000平方メートルに及び、トルコジョッキークラブの本部、競走馬診療所、見習騎手学校、ギフトショップ、博物館、展示会場などがあります。また、緑地化された場内にはピクニックエリア、キッズプレイガーデン、カフェテリア、駐車場などが整備されています。

主な競走

ヴェリエフェンディ競馬場では、数多くの重要な競走が開催されています。特に、インターナショナルレーシングフェスティバルでは、外国調教馬も参加する国際重賞競走が数多く行われます。かつては高額賞金で知られたトプカプトロフィーもその一つです。

インターナショナルレーシングフェスティバル

このフェスティバルは、外国調教馬の出走を促進する目的で1991年に開始されました。2008年からは9月上旬の週末に開催され、サラブレッドやアラブの国際重賞競走を含む7競走が行われる形式が定着しています。

国際騎手招待競走

2009年から2016年まで、国際騎手招待競走も開催されていました。この競走には、日本からも騎手が参加していました。

アクセス

ヴェリエフェンディ競馬場へのアクセスは、マルマライ、地下鉄、路面電車、メトロビュスなどを利用できます。最寄りの駅からは、徒歩またはバス、ミニバスに乗り換えることでアクセス可能です。

ヴェリエフェンディ競馬場は、トルコ競馬の歴史と伝統を今に伝える重要な場所であり、国内外の競馬ファンにとって魅力的なスポットです。

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