一式四十七粍戦車砲

一式四十七粍戦車砲の概要

一式四十七粍戦車砲は、大日本帝国陸軍によって1939年に研究が始まり、1942年に正式な装備品として制定された口径47mmの戦車砲です。この砲は主に九七式中戦車 チハや一式中戦車 チヘの主砲として使用されました。

開発の経緯

開発は陸軍技術本部の部案としてスタートしました。当初は試製四十七粍砲の砲身を九四式七糎戦車砲の砲架に装着し、数回の試験を経て設計が進められました。1940年には機能と抗堪性の試験が行われ、続いて九八式中戦車 チホに搭載してさらなる試験が実施されました。試験の結果、優れた精度と耐久性が確認され、実用化の判断が下されました。1942年には正式に一式四十七粍戦車砲として採用されました。

特徴と性能

一式四十七粍戦車砲は、主砲として高い性能を誇るもので、砲身の命数は約2,000発、弾薬も一式機動四十七粍砲と共通であり、連携が優れています。後座長は280-300mmとされています。

装甲貫徹能力に関しては、射距離や弾種によって異なるが、1942年のデータによると、徹甲弾を使用した場合、1,500mで45mmの装甲を貫通可能です。特にタングステン鋼を使用した試製徹甲弾では、貫通力が向上し、測定値において最大で80mmの鋼板も貫通できる性能を持っていました。

実戦性能

実戦においては、1945年にアメリカ軍の報告があり、一式四十七粍戦車砲はM4A3シャーマンの装甲を500ヤード（約457.2m）以上から貫通できると評価されています。また、実際の戦闘では、約30度の角度からの射撃でも優れた貫通力を発揮しており、戦場での信頼性の高さを示しています。

派生型と改良

本砲を基にした改良型、一式四十七粍戦車砲II型は1943年度に開発され、照準方式の変更や撃発機構の改良が施されています。また、昭和18年度には試製四十七粍（短）戦車砲も研究され、新軽戦車への搭載を目指して開発が進みましたが、完成は戦後にずれ込む結果となりました。

生産と供給

一式四十七粍戦車砲の生産は大阪造兵廠で行われており、1942年の末時点で230門が製造されていました。その後の生産計画では、計画数量が変更されていく中で、一式四十七粍戦車砲II型の追加生産も指示されました。

結論

一式四十七粍戦車砲は、第二次世界大戦中において日本陸軍が使用した重要な戦車砲の一つです。技術的な改良と実戦での性能から、戦車戦において大きな役割を果たしました。この砲の開発と生産は、当時の軍事技術の進展を示す一例となっています。

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