丁 (姓)

丁（てい、ディン、チョン）

丁は、東アジアに広く分布する姓の一つであり、中国、朝鮮、ベトナムにおいて、それぞれ異なる歴史と文化を背景に、多くの著名な人物を輩出してきました。

中国

中国において、丁（ディン、てい）は『百家姓』で177番目に記載されている姓です。回族の間では、「馬」「白」と並んで多い姓として知られています。2020年の国勢調査によると、中国で47番目に多い姓であり、約616万人が丁姓を名乗っています。台湾では、2018年の統計で60番目に多く、約4万9千人が丁姓です。

歴史

丁姓の起源は、古代中国に遡ります。斉の第2代公である丁公が祖先とされています。

著名な人物

中国の歴史において、丁姓の著名な人物は多岐にわたります。

丁公: 斉の第2代公。
丁原: 後漢末期の政治家・将軍。
孫朗: 三国時代の呉の皇族。軍令違反により孫姓を剥奪され、丁姓を名乗らされた。
丁奉: 三国時代の呉の将軍。
丁徳盛: 唐の時代の大丞相。
丁謂: 北宋の政治家。
丁普郎: 元末の軍人。
丁徳興: 元末の軍人。
丁敬: 清の時代の書家。
丁氏兄弟（丁申、丁丙）: 清の時代の文人・蔵書家。
丁日昌: 清末の官僚・軍人。
丁汝昌: 清末の軍人。
丁玲: 中華民国・中華人民共和国の作家・政治家。
丁惟汾: 清末、中華民国（台湾）の革命家・政治家・教育者・古典学者。
丁光訓: 中華人民共和国の宗教家。
サミュエル・ティン（丁肇中）: 中国系アメリカ人の物理学者。
丁寧: 中華人民共和国の卓球選手。
丁関根: 中華人民共和国の政治家。
丁薛祥: 中華人民共和国の政治家。
丁渝洲: 台湾の軍人、政治家。

朝鮮

朝鮮における丁（チョン）は、一般的な姓の一つです。

歴史

丁姓は、朝鮮半島においても古くから存在し、多くの氏族が分派しています。特に羅州丁氏が大多数を占めており、羅州、霊光、昌原、義城の4つの氏族は、丁徳盛を始祖として同源であるとされています。朝鮮時代には、文科及第者を63人輩出しました。

著名な人物

朝鮮における丁姓の著名な人物も数多く存在します。

丁克仁: 朝鮮最初の歌辞『賞春曲』の作者。
丁若銓: 朝鮮後期の宗教家。
丁若鏞: 朝鮮後期の学者、政治家、宗教家。丁若銓の弟。
丁一権: 韓国の軍人、政治家。元国会議長。
丁来赫: 韓国の軍人、政治家。元国会議長。
丁世均: 韓国の政治家。元国会議長。
チョン・ヘイン（丁海寅）: 韓国の俳優。
チョン・イル（丁一宇）: 韓国の俳優。
チョン・ユニ: 韓国の女優。
フィイン: 韓国の歌手。本名は丁輝人。
ウナ: 韓国のアイドル歌手。本名は丁恩妃。

ベトナム

ベトナムにおける丁（ディン）は、一般的な姓の一つです。

歴史

丁姓は、ベトナムの歴史において重要な役割を果たしました。丁朝を建国した丁部領は、十二使君の乱を収め、皇帝に即位しました。

著名な人物

ベトナムにおける丁姓の著名な人物としては、以下が挙げられます。

丁部領: 丁朝の建国者。十二使君の乱を収拾して皇帝に即位。
丁璉: 丁朝大瞿越の皇族。
丁璿: 丁朝大瞿越の第2代皇帝。

関連項目

* 「丁」で始まるページの一覧

もう一度検索