七つの顔の男

七つの顔の男

『七つの顔の男』（ななつのかおのおとこ）は、1967年10月29日から1968年1月21日にかけて、現在のテレビ朝日系列にあたるNETテレビで毎週日曜日の20時00分から20時56分に放送された連続テレビドラマシリーズです。全13話がモノクローム映像で制作されました。

作品の背景と概要

本作は、片岡千恵蔵が主演し、大映や東映で長年にわたり製作されて人気を博した映画シリーズ『多羅尾伴内』を原案としています。特に、映画シリーズの初期作品である『七つの顔』、『十三の眼』、『二十一の指紋』といった物語のエッセンスを取り入れ、新しいテレビシリーズとして企画・制作されました。映画版で脚本を手掛けた比佐芳武が、本作でも原作としてクレジットされています。

主演に抜擢されたのは、当時の人気俳優であった高城丈二です。彼が演じる主人公の名前は、映画版の「多羅尾伴内」から「飛鳥譲次」に変更されています。飛鳥譲次は、事件を解決するために変装を駆使する探偵であり、特に「名探偵・伴大作」を含む七つの異なる顔（姿）に変化して活躍します。彼は、社会に蔓延る不正や、巨大な秘密結社の企む陰謀に果敢に立ち向かい、変幻自在の能力を活かして事件の真相を追い詰めていくのです。

制作と音楽

このドラマは、NETテレビと東映テレビプロの共同制作体制で作られました。当時の東映特撮・アクション作品を多く手掛けたスタッフが参加しています。

スタッフ

原作：比佐芳武
プロデューサー：宮崎慎一、吉津正
脚本：伊上勝、今村文人、田中美樹、阿部桂一
監督：永野靖忠、渡辺成男、龍伸之介、小山幹夫
助監督：青木弘司 ほか
音楽：真鍋理一郎
制作：NET、東映テレビプロ

音楽は真鍋理一郎が担当しました。オープニング曲も真鍋理一郎が作曲しています。エンディングには、主演の高城丈二自身が歌う同名主題歌「七つの顔の男」が使用されました。この曲は滝田順が作詞、秋本薫が作曲を手がけています。

キャスト

高城丈二（飛鳥譲次 / 伴大作）
清水まゆみ
宮地晴子
潮万太郎
住吉正博
村上冬樹
二瓶秀雄
ほか

現在の視聴状況

残念ながら、『七つの顔の男』の映像資料は、現時点ではほとんど残されていないとされています。第1話「女はミニで勝負する」のオープニングとエンディングの映像のみが、『東映TV主題歌大全集1 現代劇篇』という過去に東映ビデオから発売されたLDおよびVHSソフトに収録された例があります。

しかし、番組本編のネガフィルムやポジフィルムといったマスター素材が現在も現存しているかは不明とされており、過去に東映チャンネルなどで本編が放送された記録もありません。このため、全13話が収録されたDVDやブルーレイなどのパッケージソフトも、現在までに一切発売されていません。

その希少性から、本作は「幻のテレビドラマ」として、多くの特撮ファンや昭和のテレビドラマファンからその再発見やソフト化が強く望まれていますが、マスターフィルムの所在不明という壁が立ちはだかっている状況です。

放映データ

放映期間：1967年10月29日 - 1968年1月21日
放映時間：毎週日曜日20時00分 - 20時56分
放映話数：全13話
* 放映形式：モノクロ16mmフィルム

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