七戸城

七戸城：北奥の要衝、その歴史と変遷

七戸城は、青森県上北郡七戸町に位置する、かつての日本の城です。別名を柏葉城といい、国の史跡としてその名を知られています。七戸川支流の作田川左岸、標高40メートルの丘陵に築かれたこの城は、中世から近世にかけての歴史を物語る貴重な存在です。

七戸城の歴史

七戸は、平安時代後期には既に開かれていたとされています。14世紀初頭には、北条氏の代官である工藤氏がこの地を支配していました。しかし、七戸城がいつ、誰によって築城されたのかは、正確には分かっていません。

北条氏滅亡後、七戸は伊達氏や結城氏の支配を経て、建武2年（1335年）に南部師行の弟、政長の所領となりました。従来、七戸城は南部政長によって築城されたと伝えられていましたが、近年の考古学的調査の結果、14世紀後半に南部政光によって築かれた可能性が高いとされています。南北朝時代には、八戸根城とともに南朝方の重要な拠点として機能しました。

城郭の構造

七戸城は、作田川と和田川の合流点付近に位置し、比高40mの洪積台地の先端を利用して築かれています。城は本丸、二の丸、北館、下館、宝泉館、西館、角館の7つの郭から構成されており、それぞれの郭は独立性を持ち、空堀、帯郭、腰郭、虎口、武者隠しなどの防御施設が設けられていました。

天正19年（1591年）、城主であった七戸家国は九戸政実の乱に加担し、滅亡。翌年には城は破却されました。平成8年には、本丸と二の丸の間の堀跡が発掘調査によって確認されています。現在、七戸城跡保存管理計画に基づき、北館の発掘調査が行われていますが、出土遺物は15世紀のものが中心で、14世紀のものはまだ発見されていません。

近世以降の七戸

城が破却された後も、七戸城の名前は残り、三戸南部氏の一族が在城しました。寛文4年（1664年）からは、城内に代官所が置かれました。明治2年（1869年）に七戸藩が創設されると、藩庁がここに置かれましたが、明治6年（1873年）に廃城となりました。

青岩寺に移築された城門

明治6年（1873年）には、本丸の城門が町内の青岩寺に移築されました。当初は二層の楼門建築でしたが、大正12年（1923年）に老朽化のため上層部が撤去され、間口も縮小されました。

戊辰戦争と七戸藩

戊辰戦争では、当時の城主であった南部信民が奥羽越列藩同盟に参加し、敗戦。その後、家督を譲り隠居しました。明治2年（1869年）には七戸藩が創設され、南部信民が七戸知藩事に任じられましたが、その後の廃城によって、七戸城はその役割を終えました。

現在の七戸城跡

1941年（昭和16年）に国の史跡に指定された七戸城跡は、現在柏葉公園として整備されています。訪れる人々は、かつての城の面影を偲びながら、その歴史に触れることができます。

七戸城は、その歴史を通じて、北奥地域の政治、軍事、文化の中心地として重要な役割を果たしました。現在も残る城跡は、その歴史を物語る貴重な遺産として、大切に保存されています。

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