七釜鍾乳洞

七釜鍾乳洞

七釜鍾乳洞は、長崎県西海市西海町中浦北郷に位置する複数の鍾乳洞の総称です。1928年に地元小学校の職員によって発見され、1936年には国の天然記念物に指定されました。この鍾乳洞は西彼杵半島県立公園の一部であり、観光地としては一般公開されている「清水洞」を指すことが多いです。

概要

一般公開されている清水洞は、複雑に入り組んだ洞内が特徴で、全長は1500m以上と推定されています。そのうち、約250mが観光用に整備されており、一般の観光客が訪れることができます。洞窟の地質は、古第三紀の西彼杵層群間瀬層中の石灰質砂岩で構成されています。この砂岩には、石灰藻や二枚貝の化石が豊富に含まれており、海底が隆起した後に地下水の浸食作用によって石灰質部分が空洞化したと考えられています。

特筆すべきは、日本の多くの鍾乳洞が約2.5億年前の古生代後期に形成された石灰岩層に胚胎しているのに対し、七釜鍾乳洞は約3000万年前の新生代に形成されたと推定されている点です。この点が、天然記念物に指定された大きな理由の一つです。地質学的に見ると、比較的若い鍾乳洞であるため、鍾乳石や石筍の発達は他の鍾乳洞に比べてまだ初期段階と言えるでしょう。

また、洞窟の周辺では、固有種のナナツガママンネングサが発見されています。

見学

観光洞内には、「新世界」をはじめ、「金明の滝」、「親子地蔵」など、見ごたえのあるスポットが点在しています。洞窟内は一方通行となっており、見学者は別途設けられた連絡トンネルを通って洞外に出ます。洞外には、化石や鍾乳石などを展示した展示室も併設されています。

さらに、観光洞の最終地点からは未公開区域（約600メートル、所要時間約2時間）へ分岐しており、こちらは「千枚積」まで到達可能です。ただし、未公開区域はイベント時や団体客向けにのみ公開されているため、事前に申し込みが必要です。

現地情報

交通

• - 西九州自動車道 大塔ICから西海パールライン経由で車で約25分
• - さいかい交通「七ツ釜鍾乳洞入り口」下車、徒歩約10分

時間・料金

• - 公開時間:

- 10月から3月: 9時～17時
- 4月から9月: 9時～18時

• - 入場料:

- 大人: 800円
- 中学生: 400円
- 小学生: 200円
- 幼児: 100円


参考文献

• - 角川日本地名大辞典 42 長崎県

外部リンク

• - 七釜鍾乳洞 - 国指定文化財等データベース（文化庁）

関連項目

• - 地質・鉱物天然記念物一覧

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