東京キッド

東京キッド

「東京キッド」は、1950年7月20日に発売された美空ひばりのシングルで、同年9月9日には斎藤寅次郎監督による同名の映画も公開されました。この楽曲は、戦後間もない日本の人々に夢と希望を与えたとされる、美空ひばりの初期の代表曲の一つです。

概要

1950年9月に公開された松竹映画『東京キッド』は、当時13歳だった美空ひばりが主演し、彼女が「師匠」と慕っていた川田晴久との共演でも話題となりました。この映画の主題歌として制作されたのが、シングル「東京キッド」です。

この楽曲は、明るく楽しいリズムが特徴で、映画と共に大ヒットを記録しました。「キッド」とは、「子供、若者」という意味で、楽曲タイトルは「東京の街の子」を意味します。歌詞には、「チューインガム」、「フランス香水」、「チョコレート」など、当時の人々にとって目新しかった舶来品が多く使われており、戦後間もない時代背景を反映しています。

美空ひばりは当時「天才少女歌手」と呼ばれており、「東京キッド」は彼女の初期の代表作として広く知られています。シングルは、アナログ盤とCDを合わせて100万枚以上を売り上げ、2019年の日本コロムビアの発表では、累計売上枚数が120万枚に達し、ひばりの楽曲の中で8番目に売れた曲となっています。

収録曲

オリジナル盤の収録曲は以下の通りです。

1. 東京キッド
作詞：藤浦洸、作曲：万城目正、編曲：仁木他喜雄
2. 浮世航路
作詞：藤浦洸、作曲：万城目正、編曲：田代与志

1991年に発売された盤には、以下の曲が収録されています。

1. 東京キッド
作詞：藤浦洸、作曲：万城目正、編曲：仁木他喜雄
2. お祭りマンボ
作詞・作曲・編曲：原六朗

カバー

「東京キッド」は、多くのアーティストによってカバーされています。以下は主な例です。

天童よしみ（1996年、アルバム『夢歌〜天童・美空ひばりを歌う〜』収録）
キム・ヨンジャ（1996年、アルバム『悲しい酒、ひばりの佐渡情話 -美空ひばりを歌う Vol.I-』収録）
カヒミ・カリィ（2000年、アルバム『美空ひばりトリビュート』収録）
TOMATO CUBE（2001年、三洋信販「ポケットバンク」CMソング）
CLOUD（三洋信販「ポケットバンク」CMソング）
さだまさし（2008年、アルバム『情継 こころをつぐ』収録）
岡林信康（2010年、アルバム『レクイエム〜我が心の美空ひばり〜』収録）
松山千春（2010年、シングル『リスペクト 美空ひばり「津軽のふるさと」』収録）
水樹奈々（2011年、ライブビデオ『NANA MIZUKI LIVE GRACE -ORCHESTRA-』収録）
イルカ（2012年、アルバム『ほのぼの倶楽部』収録）
クミコ（2014年、アルバム『美しい時代のうた 〜クミコ コロムビア カヴァーズ〜』収録）
DJ TATSUKI （2022年、配信シングル「TOKYO KIDS」に収録） - 当楽曲をサンプリングし、「TOKYO KIDS feat. IO & MonyHorse」としてリリース。後にリミックス版「TOKO KIDS Remix feat. Zeebra ＆ 般若」もリリース。リミックス版のミュージックビデオには、美空ひばりの息子である加藤和也も出演しています。

映画

映画『東京キッド』は、1950年9月9日に松竹によって公開されました。上映時間は81分です。

スタッフ

監督：斎藤寅次郎
脚色：伏見晁
原作：長瀬喜伴
企画：福島通人
製作：小出孝
撮影：長岡博之
美術：浜田辰雄
音楽：万城目正
録音：大村三郎
照明：小泉喜代治

キャスト

美空ひばり：マリ子
川田晴久：三平
高杉妙子：富子
花菱アチャコ：谷本浩一
堺駿二：新六
水島光代：静子
坂本武：亀造
西條鮎子：晴子
磯野秋雄：友田
榎本健一：細川大八
大杉陽一：佐栗
小藤田正一：多吉
山本多美：お福

関連項目

1950年の音楽
* ご当地ソング - 東京都のご当地ソング一覧

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