三並良

三並良（みなみ はじめ）

生涯

三並良は、1865年（慶応元年）に伊予国松山（現在の愛媛県松山市）で生まれました。父は漢学者の歌原邁で、後に母方の三並家を継ぎました。幼少期から文学に親しみ、同郷の正岡子規とは親交がありました。松山中学時代には、子規から「五友」の一人として数えられています。

1883年（明治16年）に上京し、獨逸学協会学校に入学しました。ドイツ普及福音教会のウィルフリード・スピンナーの影響を受け、キリスト教に関心を抱くようになります。1887年（明治20年）には新教神学校に進学し、卒業後、向軍治、丸山通一と共に普及福音教会を設立しました。また、教会の機関紙「真理」の編集に携わりました。

1891年（明治24年）に壱岐坂教会の牧師に就任しましたが、その後、普及福音教会を離れてユニテリアンに加わりました。1900年（明治33年）には日本ユニテリアン協会機関紙「六合雑誌」の編集長を務め、後に同協会の会長も歴任しました。また、教育者としても、第一高等学校や松山高等学校でドイツ語を教え、多くの学生を指導しました。

晩年は、キリスト教界の動向にも関心を払い、1919年（大正8年）には日本ホーリネス教会の中田重治や無教会派の内村鑑三らが提唱した再臨運動に、日本組合基督教会の海老名弾正らと共に反対しました。

1935年（昭和10年）には、三並の呼びかけにより、普及福音協会創立50周年記念会が開催されました。1940年（昭和15年）10月27日に生涯を閉じました。

人物

三並良は、ドイツ哲学とキリスト教神学に精通した知識人であり、教育者としても優れた人物でした。その活動は、キリスト教界だけでなく、日本の思想界にも大きな影響を与えました。また、正岡子規との交流からもわかるように、文学への造詣も深く、多才な人物であったと言えるでしょう。

主な活動

ドイツ普及福音教会設立
壱岐坂教会牧師
日本ユニテリアン協会機関紙「六合雑誌」編集長
日本ユニテリアン協会会長
第一高等学校、松山高等学校ドイツ語教授

参考文献

『日本キリスト教歴史大事典』教文館、1988年

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