日本ホーリネス教会

日本ホーリネス教会の歴史

日本ホーリネス教会（にほんほーりねすきょうかい）は、1917年から1936年まで存在した、ホーリネス系の最初の団体です。この教会の起源は1897年にさかのぼります。当時、日本メソジスト教会の伝道者であった中田重治が、アメリカのムーデー聖書学院で聖潔の体験をしたことが契機となりました。日本に帰国後、彼は巡回伝道を行い、1901年にはC・E・カウマン夫妻と協力して東京の神田神保町で中央福音伝道館を設立し、聖書学校の運営を始めました。この活動がホーリネス教会の基本的な土台となりました。

その後、アーネスト・キルボルンや笹尾鉄三郎も加わり、救いのメッセージを広める活動が進みました。福音伝道館では多くの人が救われ、また潔めの体験を得ることができ、多数の若い伝道者たちも育ち、各地に伝道館の支部が設立されました。1905年には「東洋宣教会」という組織が結成されました。

1917年には福音伝道館全体が「東洋宣教会日本ホーリネス教会」に改名され、各地の伝道館も「教会」と呼ばれるようになり、超教派的な団体から一つの明確な教派に移行しました。中田重治はこの教会の初代監督に就任しました。

この日本ホーリネス教会は、四重の福音を掲げて急速に成長しました。ホーリネス・リバイバルの影響もあり、1932年には教会数が439、信徒数が19,523名、教役者数が428名に達し、新教の五大教派の一つとしての地位を確立しました。しかし、1933年には監督の中田による再臨信仰の特殊な主張が問題視され、信仰上の対立が生じ、聖書学院の五教授がこれに抗議しました。

この対立は1941年に至るまで続き、1936年には監督側と委員側との和協分離が実現しました。この分裂により、日本ホーリネス教会は「日本聖教会」と「きよめ教会」に分かれる結果となり、その名前は歴史の中に消えていくこととなります。

その後、1941年には太平洋戦争が始まり、日本のプロテスタント教会は政府の圧力の下に自主的に合同し、日本基督教団を組織しました。日本聖教会ときよめ教会もこれに参加しましたが、1942年には再臨信仰を理由に官憲による弾圧が始まり、ホーリネス系諸教会は解散させられ、伝道者たちは解職や投獄などの困難に直面しました。中には殉教する者も現れました。

日本ホーリネス教会の流れを汲む団体は、その後も数多く存在し、監督派の基督兄弟団や基督聖協団、委員会派のイムマヌエル綜合伝道団などが設立されました。これらの団体は、日本におけるホーリネス信仰の流れを受け継ぎ、今なお活動を続けています。ホーリネスの精神は、今でも日本のキリスト教界に大きな影響を与えています。

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