三十六人の乗客

三十六人の乗客

有馬頼義の短編推理小説『三十六人の乗客』は、緊迫感あふれるストーリーで多くの人々を魅了し、映画やテレビドラマなど、様々なメディアで映像化もされています。

概要

物語は、私生活で問題を抱える刑事が、たまたま参加したスキーツアーのバスを舞台に展開します。しかし、そのバスには別の場所で強盗を働いた凶悪犯が紛れ込んでいることが発覚。刑事は、休憩所でその事実を知らされ、36人の乗客の中に潜む犯人を捜索することになります。限られた空間、閉ざされた状況下で繰り広げられる心理戦、そして予想外の展開が見どころです。

小説

原作小説は『オール讀物』1956年12月号に掲載されました。

映画

1957年には東宝によって映画化され、公開されました。監督は杉江敏男、脚本は井手雅人と瀬川昌治が担当しました。主演は小泉博で、これまで演じてきた好青年やサラリーマン役とは一線を画し、疲れた刑事という役柄を演じました。小泉自身も本作品を自身の代表作の一つとして挙げています。

キャスト

渡辺一郎: 小泉博
柳沢三津子: 淡路恵子
山上刑事: 志村喬
幸子（バスガイド）: 扇千景
万造: 多々良純
本橋: 千秋実
近藤: 佐藤允
星山: 森川信
青山: 矢野宣
山岡: 中谷一郎
〆蝶: 塩沢登代路
渡辺ひろ子: 若山セツ子
鏑木警部: 佐々木孝丸
安西刑事: 天津敏

スタッフ

監督: 杉江敏男
脚本: 井手雅人、瀬川昌治
音楽: 神津善行

テレビドラマ

『三十六人の乗客』は、これまでにも数回にわたりテレビドラマ化されています。

1969年版

1969年4月3日にNHK「NHK劇場」で放送されました。脚本は早坂暁、監督は遠藤利男が担当。露口茂が主演を務め、1969年度のプラハ国際テレビ祭でカメラワーク賞を受賞しています。近年、NHKアーカイブスにて再放送もされました。

1980年版

1980年2月9日にテレビ朝日の『土曜ワイド劇場』で『スキーバスを追え! 36人の乗客』というタイトルで放送されました。脚本は須川栄三、監督は日高武治。あおい輝彦が主演を務めました。

1991年版

1991年11月11日にTBS『月曜ドラマスペシャル』で『三十六人の乗客 あのバスの中に犯人がいる!』というタイトルで放送されました。渡瀬恒彦が主演を務め、脚本は峯尾基三、監督は合月勇が担当しました。

キャスト

鳥海圭介：渡瀬恒彦
鳥海由美子：原日出子
鳥海祐太：石井啓善
南（捜査課課長）：神山繁
丸山（刑事）：妹尾洸
柴田（刑事）：高月忠
溝口（刑事）：木村栄
古賀（犯人）：丹波義隆
江尻（犯人）：大村浩之
* 朱美：若山幸子

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