三周ヶ岳(さんしゅうがたけ)
岐阜県揖斐郡揖斐川町に
位置する三周ヶ岳は、
標高1,292mの
山で、越美
山地の西部に
位置しています。
山頂には一等
三角点が設置されており、「ぎふ百
山」の一つにも数えられています。この
山は、古くから関西や中京の
山岳愛好家には「藪
山三周」という愛称で親しまれてきました。
山名の由来
三周ヶ岳という名前の由来にはいくつかの説があります。「あたりを三周したいほど眺望が優れている
山」という説や、「美濃、越前、近江の三国を見渡せる
山」という説がありますが、定かではありません。いずれにしても、その美しい景観が名前の由来となっていると考えられます。
登山について
登
山に適した時期は6月から11月頃で、特に10月末から11月初旬は
紅葉が見頃を迎えます。
岐阜県側と
福井県側の両方から登
山ルートがあり、それぞれ異なる魅力があります。
岐阜県側からは、
揖斐川町坂内川上から池ノ又
林道を通って登
山口へアクセスします。
林道終点には駐車場があり、ここから登
山道が始まります。登
山道は、池ノ又谷沿いを少し進んだ後、
尾根道へと変わります。途中には幽玄の滝があり、岩壁を登ると夜叉ヶ池の南の稜線に到達します。そこから
山頂までは、
ササが生い茂る箇所もあるため、ルートを見失わないように注意が必要です。
- 池ノ又
林道終点から夜叉ヶ池まで:約90分
- 夜叉ヶ池から三周ヶ岳
山頂まで:約120分
山頂からは、奥美濃の
山々はもちろん、
琵琶湖や
伊吹山、白
山や能郷白
山などの
両白山地の
山々、さらには御嶽
山や北アルプスまで見渡せる素晴らしい眺望が楽しめます。
ルート詳細:池ノ又
林道 -
林道終点の登
山口 - 水場 - 幽幻の滝 - 夜叉ヶ池 - 夜叉壁ノ頭 - 三周ヶ岳
福井県側からは、南越前町広野にある夜叉ヶ池登
山口から日野川を遡るルートがあります。このルートも夜叉ヶ池に合流し、そこからは
岐阜県側と同じルートとなります。
- 広野登
山口から夜叉滝まで:約30分
- 夜叉滝からシャクナゲ坂まで:約50分
- シャクナゲ坂から夜叉ヶ池まで:約40分
ルート詳細:広野登
山口 - 夜叉滝 - 大トチ - 夜叉ヶ池 - 夜叉壁ノ頭 - 三周ヶ岳
地理
三周ヶ岳は、
揖斐川の支流である西谷の源流となる
山です。西谷の最上流部である金ヶ丸谷は、
山の北側から西側を回るように流れています。
山頂から南西1.5kmには、雨乞い伝説で有名な夜叉ヶ池があり、その南面には夜叉壁と呼ばれる
堆積岩の岩壁が見られます。
周辺の山
三周ヶ岳の周辺には、以下のような
山々が連なっています。
- - 北北東2.8km:美濃俣山(標高1,253.8m)
- - 東3.5km:烏帽子山(標高1,242.18m)
- - 西南西5.1km:上谷山(標高1,196.7m)
- - 南東2km:黒壁(標高1,316.33m)
交通・アクセス
岐阜県側からは、
国道303号から
揖斐川町の町道(池ノ又
林道)を通って夜叉ヶ池登
山口駐車場までアクセスできます。ただし、神又谷から夜叉ヶ池登
山口までの区間は、積雪期や残雪期には閉鎖されます。
また、三周ヶ岳は以下の場所からもアクセス可能です。
周辺の風景
三周ヶ岳周辺は、豊かな自然に囲まれた美しい景色が広がっています。特に夜叉ヶ池周辺は、神秘的な雰囲気を醸し出しており、多くの登
山客を魅了しています。
山頂からの眺望は格別で、奥美濃の
山々や遠くの
山脈まで見渡せる絶景を楽しむことができます。
脚注
注釈
特になし
出典
特になし
参考文献
- - 岐阜県山岳連盟『ぎふ百山』岐阜新聞社、1987年7月。ISBN 4905958474。
- - 『日本の山1000』山と溪谷社〈山溪カラー名鑑〉、1992年8月。ISBN 4635090256。
- - 徳久球雄(編集) 編『コンサイス日本山名辞典』(修訂版)三省堂、1992年10月。ISBN 4-385-15403-1。
- - 林正一『白山と北陸の山』山と溪谷社〈ヤマケイアルペンガイド〉、2000年8月。ISBN 4-635-01321-9。
- - 吉川幸一『こんなに楽しい岐阜の山旅100コース 美濃〈上〉』風媒社、2005年3月。ISBN 4833101149。
- - 島田靖、堀井啓介『改訂版 岐阜県の山』山と溪谷社〈新・分県登山ガイド〉、2009年12月。ISBN 978-4-635-02370-2。
関連項目
外部リンク