三好一 (陸軍軍人)

三好一（みよし はじめ）

生涯

三好一は、明治9年（1876年）10月28日に大分県玖珠郡飯田村（現在の九重町）で、大分県士族の三好成の長男として誕生しました。明治28年（1895年）に陸軍士官学校を卒業（8期）後、軍人としてのキャリアをスタートさせました。

軍人としての経歴

三好は、明治29年（1896年）に陸軍少尉に任官され、その後、陸軍大学校を卒業（19期）しました。騎兵科の将校として着実に昇進を重ね、騎兵第4聯隊長、近衛騎兵聯隊長、陸軍省軍務局騎兵課長などを歴任しました。

大正11年（1922年）には陸軍少将に昇進し、騎兵第2旅団長に就任。その後、陸軍騎兵学校長、騎兵監といった要職を歴任し、昭和2年（1927年）には陸軍中将に昇進しました。昭和4年（1929年）には、第8師団長に任命され、軍の中核を担う存在となりました。

大分市長への就任とその後

太平洋戦争末期の昭和20年（1945年）4月、三好は大分市長に任命されました。しかし、終戦直後の同年10月には辞任しています。これは、当時の混乱した社会情勢と、軍人出身である三好への批判的な声があったためと考えられます。また、戦後、三好は公職追放の仮指定を受けています。

薩摩琵琶への造詣

三好は、軍人としての活動のかたわら、薩摩琵琶を愛好し、その道場である薩摩琵琶修練会の会長を務めていました。このことから、三好は武人としての側面だけでなく、芸術を愛する文化人としての側面も持ち合わせていたことがうかがえます。

栄典

三好は、その功績により、以下の位階を授与されました。

明治30年（1897年）10月15日 - 正八位
明治32年（1899年）12月26日 - 従七位
大正11年（1922年）9月11日 - 正五位
昭和6年（1931年）9月28日 - 従三位

親族

三好の長女である千代は、最高検察庁検事の橋本乾三と結婚しました。また、実業家の橋本實、ジャーナリストの橋本明、外交官の橋本宏は、いずれも三好の孫（千代の子）にあたります。さらに、戦艦陸奥爆沈時の艦長であった三好輝彦は、三好一の弟です。

死去

三好一は、昭和34年（1959年）10月1日に生涯を閉じました。享年82歳。

参考資料

* 福川秀樹『日本陸軍将官辞典』芙蓉書房出版、2001年

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