三宅伸

三宅 伸について

三宅伸（みやけ しん）は、1969年8月13日生まれの元競輪選手で、岡山県玉野市にルーツを持っています。彼は、当時の日本競輪学校第64期生として1988年に入学し、在校中には競走成績で1位を記録。特に同期の高木隆弘と有坂直樹と共に「64期三羽烏」と称され、注目を集めていました。卒業記念レースでも完全優勝を成し遂げ、その実力を証明しました。

競技人生の始まり

初出走は1989年8月12日の高松競輪場で、翌日に初勝利を収めています。競輪人生は順調に思えましたが、1992年1月に自動車との交通事故に遭い、右ひざを粉砕骨折する大けがを負います。この怪我からの回復期間は約1年とされましたが、半年後には現場に復帰するも、長期間は特別競輪に参加できませんでした。

復活と躍進

1995年には日本選手権競輪に進出し、その後の高松宮杯や競輪王戦でも決勝に進むなど、確実に力を取り戻していきます。特に1996年には日本選手権競輪決勝で2着に入り、高松宮杯でも再度決勝進出を果たしました。しかし、吉岡稔真や神山雄一郎という強豪選手たちとの対戦では苦しい時期が続きました。特に、彼らの影に隠れる形になりながら、GII大会では決勝に進むものの、GIレースでは苦戦が続きました。

さらなる挑戦と栄光

2007年にはサマーナイトフェスティバルやふるさとダービーで決勝に進み、翌年の西日本王座決定戦では2着という成績を収めます。そして2008年12月9日、全日本選抜競輪決勝では待望のGI初優勝を達成。39歳という年齢ながら、デビューから19年4ヶ月での特別競輪初優勝は、多くのファンの心を掴みました。この優勝は、彼にとって大きな転機となり、その後も競技を続けていきます。

通算成績と引退

三宅の通算戦績は2776戦430勝、優勝は45回（このうちGIは1回）という輝かしいものであり、2017年1月には通算獲得賞金が10億円を上回りました。しかし、2022年7月からA級に降格し、さらに10月17日に引退が発表されました。彼の引退セレモニーは2022年10月30日に玉野競輪場で行われ、多くのファンに見送られました。

競走スタイルとエピソード

三宅の競走スタイルは、初期は身長183cmを活かしたパワフルな捲りが特徴でしたが、晩年には追込型に変化していきました。競輪選手としての生き様を大切にしており、彼自身も競輪を「天職」と語り、生まれ変わっても選手でいたいとの思いを表明しています。また、彼のファンにはいくつかのエピソードがあります。特に、競馬ライターの青木るえかが三宅の大ファンとして知られ、『月刊三宅伸』という自費出版の小冊子で彼の魅力を広めました。

三宅伸は、競輪の世界で多くの栄光と苦労を重ねてきた選手であり、その豊かなキャリアは競輪ファンの間で語り継がれています。

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