有坂直樹

生い立ちと競輪界への道

有坂直樹は、1969年12月13日に秋田県大仙市で生まれました。秋田県立大曲農業高等学校時代には、インターハイや国体などのスプリント種目で数々の優勝を果たし、その実績が認められ競輪学校へは技能試験免除で入学しました。競輪学校では在校成績2位という優秀な成績で卒業し、競輪選手としてのキャリアをスタートさせました。

デビューから苦悩の時代

1989年8月5日、西武園競輪場でデビューし、同レースで初勝利を挙げました。同期には高木隆弘、三宅伸がおり、3人は「64期三羽烏」と呼ばれ注目を集めました。特に、1期後輩の吉岡稔真の対抗馬として期待されましたが、腰痛の影響もあり、なかなか成績が伸び悩む時期が続きました。開設記念（GIII）程度のレースでの活躍に留まり、苦しい時期を過ごしました。

転機と才能開花

30代になると、北日本の若手選手が台頭してきたことをきっかけに、有坂は自力型の戦法から追込へと転向します。これが転機となり、徐々に調子を上げていきました。2005年の第1回サマーナイトフェスティバルでは、「ここで取れないと一生大きいレースを取れない」という解説者の言葉に発奮し、見事優勝。GII初優勝を飾りました。

KEIRINグランプリ制覇とGIタイトル獲得

2006年には、競輪祭で3着、日本選手権競輪で2着に入るなど、安定した成績を残し、賞金ランキング上位にランクイン。37歳で念願のKEIRINグランプリに初出場を果たしました。そして、そのKEIRINグランプリで見事優勝、デビュー17年3ヶ月で特別競輪初制覇を成し遂げ、井上茂徳が持っていたKEIRINグランプリ最年長優勝記録も更新しました。その勢いは衰えず、翌2007年には日本選手権競輪でも初優勝を飾り、初のGIタイトルを獲得。2008年からは新設されたS級S班に昇格しました。

引退とその後

2015年6月には通算500勝を達成し、その功績が称えられました。しかし、晩年は加齢による脚力の衰えからA級に降格。腰痛や膝痛にも悩まされ、2021年9月29日に現役を引退しました。通算成績は2650戦524勝、優勝66回（うちGI1回、GP1回）、獲得賞金は12億1637万4444円でした。

引退後は、飲食店や不動産取引のプロデュース・経営を行う傍ら、競輪の仕事にも携わっています。引退直後から解説者としての活動を開始し、その経験と知識を活かして活躍しています。

選手としての特徴

デビュー当初は自力型で、捲りを主体としたレーススタイルで活躍しました。全盛期には、あの吉岡稔真の逃げを捲ったこともあります。追込に転向してからは、先行選手が不発になった際に、持ち前の捲りで上位に食い込むこともありましたが、晩年は脚力低下により追込に専念するようになりました。ナイター競走での成績が良かったことから「番長」とも呼ばれており、自身も「自分は夜行性」と語っていました。また、競輪選手の中でも特に肉食党として知られ、自身のSNSにも肉料理を食べる姿をよく掲載していました。

主な獲得タイトルと記録

2006年 - KEIRINグランプリ06（京王閣[[競輪場]]）
2007年 - 日本選手権競輪（平塚[[競輪場]]）
年間賞金王1回 - 2006年

外部リンク

現役時代の戦績 - KEIRIN.JP
第1回サマーナイトフェスティバル優勝者の横顔
Naoki Arisaka - Twitter

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