三宅坂

三宅坂について

三宅坂（みやけざか）は、東京都千代田区永田町1丁目に位置し、皇居堀端を国立劇場方面へ向かって上る坂道です。江戸時代には三宅土佐守の屋敷が存在しており、その名残が坂の名前として今に伝えられています。

坂の概要

この坂は、半蔵門外から警視庁近くまで皇居内堀に沿って続く緩やかな傾斜です。江戸時代以来、ここは堀端の美しい景勝地として知られており、現在の交通路では内堀通りと交差しています。半蔵門交差点は海抜約23メートルに位置し、桜田門交差点に至るまでの1.2キロメートルはゆるやかな下り坂が続きます。その途中、最高裁判所や社会民主党本部の近くに位置する三宅坂交差点は国道246号（青山通り）の始点ともなっており、この地域は交通の要所ともいえます。

三宅坂の由来・歴史

この坂の名称は、江戸時代に三河国田原藩の三宅家の上屋敷があったことに由来しています。坂道の周辺には、近江国彦根藩の井伊家などもあり、広大な敷地が広がっていました。さらに、江戸城の内堀に面していたため、堀端には皀莢（さいかち）や橿（かし）の木が植えられ、「皀莢坂」や「橿木坂」とも呼ばれることがありました。

明治時代に入ると、三宅家や井伊家の敷地は政府の手に渡り、陸軍の重要な拠点が設置されました。坂道の高台には参謀本部が置かれ、戦前・戦中は「三宅坂」が参謀本部の代名詞として使われることもありました。1941年には陸軍関連の機関が市ヶ谷へ移転し、戦後には参謀本部の跡地が国会用地に改められました。

現在、三宅坂一帯は公園や国会の敷地として利用されています。特に東半分は憲政記念館や国会前庭などの公共施設となり、西半分は観光バス用の駐車場として利用されています。また、社会文化会館が設立されたのは1964年であり、これは日本社会党本部としての役割を果たしていましたが、耐震性の問題から2013年に解体されました。

現在の三宅坂

三宅坂周辺の様子は戦前と戦後で大きく変わりました。特に、戦後は新たに国会の議席を多く占めるようになった日本社会党、現在の社会民主党がこの地域を象徴する存在となっています。近年、三宅家屋敷跡側は米軍に接収され、連合国軍最高司令官総司令部（GHQ）の将校住宅が建設されましたが、占領後には再び国に返還され、1965年からは国立劇場や最高裁判所も次々と完成しました。

交通機関

三宅坂には都営バスの「三宅坂」停留所があり、国立劇場の近隣に位置しています。バスは四谷駅や新宿駅などからの路線があり、アクセスの利便性も高いです。

このように、三宅坂はその地理的・歴史的価値により、東京都心の重要な一部を形成しており、今なお多くの人々に利用され、親しまれています。

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