内堀通り

内堀通り：皇居を囲む歴史と景観の道

内堀通りは、東京都千代田区の皇居の内堀に沿って環状に走る、全長約6kmの道路の通称です。東京都道401号麹町竹平線などを構成要素とし、皇居を中心とする都心の環状道路の中で最も内側に位置しています。この道は、東京という大都市の中心にありながら、歴史的な景観と現代的なビル群が共存する、独特の魅力を放っています。

概要

内堀通りは、皇居の北東に位置する平川門を起点とし、九段下、半蔵門、桜田門、祝田橋、二重橋前、大手門といった主要な交差点を経て、再び平川門に戻る環状構造をしています。この道路は、概ね東京都市計画道路幹線街路環状第1号線と同じルートを辿りますが、一部区間では環状1号線が内堀通りの東隣の道路（国道1号）を指定しているため、わずかな差異があります。

1986年（昭和61年）には、「城郭と高層ビルの道」として日本の道100選に選定され、その歴史的価値と景観の美しさが広く認められました。特に、日曜日の10時から16時には、平川門交差点から祝田橋交差点までの区間が「パレスサイクリングコース」として開放され、自転車専用道路となります。

路線データ

内堀通りの主な路線データは以下の通りです。

通称道路名: 内堀通り
整理番号: 1
起点: 千代田区霞が関一丁目
終点: 千代田区霞が関一丁目

内堀通りを構成する主な道路は以下の通りです。

東京都道401号麹町竹平線（平川門交差点 - 九段下交差点）
東京都道302号新宿両国線（九段下交差点 - 九段坂上交差点）
東京都道401号麹町竹平線（九段坂上交差点 - 半蔵門交差点）
国道20号（半蔵門交差点 - 桜田門交差点）
国道1号（桜田門交差点 - 祝田橋交差点）
東京都道301号白山祝田田町線（祝田橋交差点 - 平川門交差点）

また、靖国通りが九段下交差点から九段坂上交差点の間で重複しています。

沿線概況

内堀通りの沿線には、皇居の堀と石垣が連なり、その外側には高層ビルが立ち並ぶビジネス街が広がっています。江戸城の外堀が埋め立てられたのに対し、内堀は江戸時代の姿を今に伝えており、沿道には歴史的な史跡が多数残っています。二重橋や皇居外苑は特に有名です。

東側の皇居外苑沿いの区間（祝田橋 - 大手門）は、日露戦争後の凱旋大観兵式のために幅36mで整備され、「凱旋道路」とも呼ばれていました。大手門付近のエンジュ並木は、1875年に東京で初めて西洋の街路樹が植えられた場所としても知られ、記念碑が建立されています。

北西側の区間（九段坂上 - 半蔵門）は桜の名所として知られ、春には美しい桜並木が楽しめます。南側の区間（半蔵門 - 三宅坂）では、内堀の水面と緑豊かな土手、桜田門の白い壁が織りなす景観が美しく、外側には霞が関の官庁街の近代建築が並び、その対比が際立っています。

全線にわたって車線数が多く、複雑な交差点も多く存在します。

交差する道路

内堀通りと交差する主な道路は、反時計回りに以下の通りです。

白山通り - 平川門交差点
代官町通り - 竹橋交差点
目白通り - 九段下交差点
早稲田通り - 田安門交差点
新宿通り（国道20号）- 半蔵門交差点
青山通り（国道246号）- 三宅坂交差点
六本木通り - 国会前交差点
桜田通り（国道1号） - 桜田門交差点
晴海通り - 祝田橋交差点
永代通り - 大手門交差点

主な沿線施設

内堀通り沿いには、以下のような様々な施設があります。

皇居外苑（皇居前広場）
パレスホテル東京
Otemachi One
東京消防庁・丸の内消防署
気象庁
丸紅本社
パレスサイドビル（毎日新聞社本社）
九段合同庁舎
九段第二合同庁舎
千代田会館
千代田区役所
昭和館
北の丸スクエア
日本武道館
靖国神社
インド大使館
二松學舍大学附属高等学校
二松學舍大学九段キャンパス
千鳥ヶ淵戦没者墓苑
千鳥ヶ淵公園
駐日英国大使館
国立劇場
最高裁判所
憲政記念館
国会議事堂
警視庁

内堀通りは、都心の主要な場所を結びながら、歴史と自然を感じられる特別な空間を提供しています。その多様な景観は、訪れる人々に深い印象を与え、東京の魅力を再発見するきっかけとなるでしょう。

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