三枝昌貞

三枝 昌貞 - 戦国時代の武将

概要

三枝昌貞（さいぐさ まささだ）は、戦国時代に活躍した武将であり、甲斐国の武田氏に仕えた足軽大将として知られています。信玄の家臣の一人であり、武田二十四将の一人に数えられる彼の功績は、武田家の隆盛期における重要な柱となりました。本稿では、彼の生涯や家族、子孫に焦点を当てて探ります。

生い立ちと経歴

昌貞の父、虎吉は「三枝右衛門尉」と名乗り、武田家に仕える奉行人として活動していました。彼の本領は現代の山梨県中央市木原にあったとされます。戦国期には三枝氏が武田譜代の山県昌景を寄親としていたことから、昌貞もその家系の一部であったと考えられています。

歴史文献には、昌貞が虎吉の嫡子であり、武田信玄の近習として仕官する中で、その才能により足軽大将に昇進した経緯が記されています。彼は山県氏の出自についての異なる説があり、家系の詳細に関しては『甲陽軍鑑』と『寛永諸家系図伝』で相違が見受けられます。

武将としての活動

昌貞は信玄の政権下で様々な戦いに参加し、特に川中島の戦いにおいてその名が見られ、知行を賜るなど重要な役割を果たしました。文書において彼は、永禄11年（1568年）から「山県勘解由左衛門尉」と称され、信玄からの加増も確認されています。

信玄の近習としての忠誠心や能力が評価され、昌貞は30騎と70人の足軽を統率し、戦場での活躍が期待されていました。しかし、弘治年間には一時的に信玄の勘気を被り、蟄居することもあったようです。文書記録からは、彼が信玄から信頼を受けていたことは間違いありません。

長篠の戦いでの最期

昌貞は天正3年（1575年）の長篠の戦いに参加しましたが、主戦場から離れた砦の守備に回されました。彼が守った「姥が懐」の砦は、敵の奇襲を受けることになります。酒井忠次率いる織田・徳川軍の襲撃に対し、昌貞は弟たちと共に防戦しましたが、次第に劣勢に立たされ、最終的には戦死しました。彼とその兄弟たちの墓は、現在もこの地に存在しています。

子孫と家族

昌貞の嫡男、守吉は若年であり、叔父の昌吉が名代を務めることとなりました。武田氏滅亡後も三枝氏は存続し、守吉は新たに家督を継承し、さらに分家を立てることになります。彼の子孫は元禄11年（1698年）に近江国へ移封され、徳川家の旗本として名を刻みました。

三枝氏の由緒は、平安時代の古代官人にまで遡ることができるとされています。彼らは古代豪族の系譜を持ち、江戸時代にはその由緒を強調するようになっていきました。ですが、昌貞の名は近世の資料において「守友」と表記されることもあり、古代の名家とのつながりを示すような文書が作成されるなど、彼の一族は信玄の時代にもその影響力を保っていたのです。

結論

三枝昌貞は武田家のために尽力した武将であり、彼の生涯は当時の戦国時代の複雑さと、家族の結束を象徴しています。彼の物語は、単なる武将の生涯に留まらず、歴史的背景や家族の歴史に深く根ざしたものとなっています。今後も昌貞に関する研究が進むことで、さらなる詳細が明らかになることが期待されます。

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