三橋秀方

三橋秀方（みつはし ひでかた）は、日本の外交官であり、そのキャリアを通じて多岐にわたる重要な役職を歴任しました。内閣官房内閣審議官兼インドシナ難民対策連絡調整会議事務局長などを経て、2000年（平成12年）から2002年（平成14年）までルーマニア駐箚特命全権大使を務めました。

岐阜県出身の三橋は、岐阜大学附属長良小学校（現岐阜市立長良小学校）、岐阜県立長良高等学校を経て、1964年に一橋大学法学部を卒業後、外務省に入省しました。1966年には在ソ連邦日本国大使館外交官補として、橋本宏らと共にモスクワ大学歴史学部に留学しました。この留学経験は、後の外交官としてのキャリアに大きな影響を与えたと考えられます。

休職外務事務官を経て、1982年に外務省欧亜局東欧課長として復職。その後、1983年に外務省研修所総括指導官、1985年に在ポーランド日本国大使館参事官、1988年に在ギリシャ日本国大使館公使、1991年に在フィンランド日本国大使館公使と、着実にキャリアを積み重ねていきました。

1995年には内閣審議官（内閣官房内閣外政審議室）兼インドシナ難民対策連絡調整会議事務局長に就任し、難民問題に取り組みました。1996年からは駐カザフスタン兼キルギス特命全権大使を務めました。在任中には、キルギス日本人誘拐事件が発生し、三橋はビシュケクに赴き現地対策本部長として対応に当たりました。人質解放後は、アスカル・アカエフ大統領と会談し、記者会見で事件の経緯や今後の対策について説明を行いました。この事件での陣頭指揮は、三橋の外交官としての手腕を示すものとして高く評価されています。

2000年からは駐ルーマニア特命全権大使を務め、2016年には瑞宝中綬章を受章しました。

三橋秀方は、ソ連・東欧地域に関する深い知識と経験を持ち、難民問題やテロ対策など、国際社会が直面する様々な課題に取り組んだ外交官でした。特に、キルギス日本人誘拐事件における迅速かつ的確な対応は、日本政府の危機管理能力を示すものとして、国内外から注目を集めました。

外部リンク: ソ連東欧社会主義社会再考 - 2021年12月8日

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