三毛一夫

三毛一夫は、1883年（明治16年）に生まれ、1973年（昭和48年）に没した、日本の陸軍軍人です。最終階級は陸軍中将でした。

生い立ちと初期の軍歴

和歌山県出身で、旧紀州藩士で陸軍大尉だった三毛敏徳の長男として、函館で誕生しました。幼少期から軍人の道を志し、成城学校（現在の成城中学校・高等学校）、大阪陸軍地方幼年学校、中央幼年学校を経て、1903年（明治36年）11月に陸軍士官学校（15期）を卒業しました。翌年3月には歩兵少尉に任官し、近衛歩兵第4連隊に配属されました。

1910年（明治43年）11月には陸軍大学校（22期）を卒業し、その後のキャリアアップの基礎を築きました。

ロシア留学とシベリア出兵

1911年（明治44年）12月に歩兵大尉に昇進し、参謀本部員として勤務しました。1914年（大正3年）2月にはロシアに留学し、同年9月にはロシア軍に従軍するという貴重な経験を積みました。1916年（大正5年）6月に帰国後、再び参謀本部員に就任。1917年（大正6年）12月にはシベリアに派遣され、諜報活動に従事しました。1918年（大正7年）6月には歩兵少佐に進級し、歩兵第18連隊大隊長に就任。その後、近衛歩兵第4連隊付を経て、同年11月にはオムスク駐在となりました。

1919年（大正8年）2月から12月にかけては、浦塩派遣軍司令部付（オムスク特務機関）としてシベリア出兵に参加し、実戦経験を積みました。参謀本部員（ロシア班）を経て、1921年（大正10年）1月には再び浦塩派遣軍司令部付となりました。

その後の昇進と軍歴

参謀本部員として勤務後、1922年（大正11年）4月に歩兵中佐に昇進。近衛歩兵第4連隊付、参謀本部員（ロシア班長）を経て、1924年（大正13年）12月には歩兵大佐に進み、スウェーデン公使館付武官に発令されました。ソ連大使館付兼スウェーデン公使館付武官、参謀本部付を経て、1927年（昭和2年）7月には歩兵第43連隊長に就任しました。

1930年（昭和5年）8月には陸軍少将に進級し、歩兵第9旅団長となりました。1932年（昭和7年）4月には第11師団司令部付に転じ、近衛師団司令部付を経て、1934年（昭和9年）3月には第1独立守備隊司令官に就任しました。同年8月には陸軍中将に進み、軍人としての頂点を極めました。

1936年（昭和11年）3月には第7師団長に親補されましたが、1937年（昭和12年）8月に予備役に編入されました。

ハルピン学院院長と晩年

予備役編入後の1938年（昭和13年）3月からはハルピン学院院長を務め、後進の育成に尽力しました。1947年（昭和22年）11月28日には公職追放仮指定を受けました。

栄典

位階
1904年（明治37年）4月7日 - 正八位
1905年（明治38年）8月18日 - 従七位
1910年（明治43年）9月30日 - 正七位
1915年（大正4年）10月30日 - 従六位
1920年（大正9年）11月30日 - 正六位
1934年（昭和9年）9月1日 - 従四位
1936年（昭和11年）10月1日 - 正四位

勲章
1934年（昭和9年）2月7日 - 勲二等瑞宝章

外国勲章佩用允許
1935年（昭和10年）9月21日 - 満州帝国：満州帝国皇帝訪日記念章

親族

弟: 三毛逸（陸軍大佐）
* 義父: 林太郎（陸軍中将）

三毛一夫は、激動の時代を軍人として生き抜き、その足跡は日本の軍事史に深く刻まれています。

もう一度検索