三民書局

三民書局：台湾の文化を支える老舗出版社

三民書局は、1953年に台湾で創業した大手書店・総合出版社です。創業者である劉振強、柯君欽、范守仁の三人が、「庶民三人」の意味を込めて「三民」と名付けられました。

歴史

創業当初は、法律や政治に関する大学の教科書や参考書を中心に扱っていました。その後、『三民文庫』や『古籍今注新訳叢書』、『大辭典』シリーズなど、学術的な出版物にも力を入れるようになります。

1975年には、台北市重慶南路に「三民大楼」を竣工。台湾初の書店用エレベーターを備えた店舗として話題になりました。1996年にはオンラインショップを開設し、2017年には創業者である劉振強が逝去、息子の劉仲傑が二代目社長に就任しました。

事業概要

現在では、教科書、一般書籍、辞典、児童書など、幅広いジャンルの書籍を出版・販売しています。特に、中国語古典文学、現代文学、歴史、社会科学、芸術などの人文系書籍や、子供向けの文学作品に定評があります。

出版事業

教科書: 法学を中心とした大学向け教科書を出版。東大図書株式会社を通じて高校向け教科書も提供しています。
一般書籍: 中国語古典文学、現代文学、歴史、社会科学、芸術、児童文学など、幅広い分野の書籍を出版しています。
辞典・字典類: 民間出版社として初めて百科全書型大辞典である『大辭典』を出版。長年にわたり改訂を重ねています。

販売事業

簡体字書籍: 台湾で最も豊富な品揃えを誇る簡体字書籍取扱店です。
洋書: 海外のネットストアと連携し、最新の洋書を提供しています。
指定販売: 金融研訓院、証期会、国立台湾大学などの学術書籍の販売店に指定されています。

また、香港の主要な学術出版社である商務印書館、中華書局、三聯書店などの出版物の独占代理店も務めています。

店舗

復北店: 総本社として、書店と出版事業を運営しています。
重南店: 台北市重慶南路書店街に位置し、地域最大の規模を誇るランドマーク的な存在です。
三民書局オンラインショップ: 1996年に開設され、数百万種類の商品情報にアクセスできます。台湾、中国、香港の出版物だけでなく、海外の書籍も幅広く取り扱っています。

受賞歴

三民書局は、長年にわたり数々の賞を受賞しています。主なものとして、金鼎獎や中小學生優良課外讀物、小太陽獎、好書大家讀などがあります。これらの受賞歴は、三民書局の出版物の質の高さと、社会への貢献を証明するものです。

関連会社

東大図書股份有限公司: 哲学、人文、芸術分野の出版物を刊行しています。
* 弘雅圖書股份有限公司: 書籍・雑誌・教科書、文房具などの取次販売、卸売、小売を行っています。

三民書局は、台湾の出版文化を支える重要な存在として、これからも学術と文化の発展に貢献していくことでしょう。

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